複雑・ファジー小説

Re: また明日. ( No.4 )
日時: 2012/02/23 22:09
名前: coco*. (ID: /u41yojS)

第三話『校舎案内』

それから授業が終わるまで、森が俺に話しかけることはなく、少し得意な数学は、あまり面白くなかった。

授業が終わり、昼休み。俺は一人で食堂へ向かおうと、席を立つ。
前は弁当を作ってたけど、色々と面倒くさくなり、今は食堂でおにぎりで済ませるようになった。

「ちょーっと待った! 日向、あなた……どこへ行くの?!」

叫ぶように森が俺をキッと睨んだ。

「いや、どこって食堂だけど」
「旭ちゃんに校舎案内してあげよ!」
「んなの、お前がやればいーじゃん」
「うるさい! ホラ、早く行くよ」

森が俺の手を思い切り引っ張った。
痛い、痛いわ阿呆。

案内してもらうのは飯室なのに、当本人は俺と森のあとをついてきてるだけ。

「おい、離せ! それと、腹減った!」
「今日はご飯なしですぅ」
「あ? ざけてんのかお前」

本当、ふざけてんのか。
俺がふてぶてしくため息をついたら、飯室が寂しそうに笑うのが分かった。

「……飯室?」
「ご、ごめんなさい。お二人は仲良しなんですね」

はあ?
そう思うと同時に、俺と森がほぼ同時に言った。

「ふざけんな!」

若干、ずれていたが。

——そんな事があり、全部の階を回れずに、教室に戻った。
でも、飯室は少し嬉しそうに笑っていたので、良しとしよう。