複雑・ファジー小説
- Re: また明日. ( No.5 )
- 日時: 2012/02/24 22:39
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
第四話『森の事』
結局、昼を食べる時間は休み時間には取れなくなり、授業中に三人、食べるという最悪な事態になった。
あれもこれも、全部森が悪いんだ!
「だってだって、旭ちゃんに早く案内したかったからあ〜。そんでもって、昼休みには男子がまた集まりそうだったからさあ」
あぁ、なんだそっか。
授業中だっていうのに森は恥ずかしげもなく、大声でしゃべる。
だから、先生に睨まれる。森本人は気づいていないのが、ヒヤヒヤする。
「おい。森……男子が睨んでるぞ」
「うっさいなぁ。旭ちゃんに近づくからいけないのお」
どう考えてもうるさいのは、森の方だ。
森は手を前に、格闘するみたいな格好で、睨む男子を睨み返した。
なんつーか……天然?
こいつ見てるの、あきないんだよな。
ちなみに森も、意外と美人で、この明るい性格からか、先輩、後輩と仲の良い友達がたくさんいる。
森と同じ陸上部の先輩達のほとんどが、森狙いだって事、俺は知ってる。
その気持ちも、分からなくはないが……。
俺は、森から目を離し、黒板に書かれたわけの分からない文字式をノートにうつしはじめた。
写してから数分後、森はじっとしていられないのか、俺のノートを見てきた。
「……なんだよ」
「いやあね、あたしじっとしてんの苦手でさぁ、口を五分間閉じるのも苦なんだよね」
ああああ、先生がすごく見てる。森、おい、気づけよおい。
森は全くと言っていいほど気づかず、話し始めた。
「やっぱさ、あたしみたいのが勉強とかって向いてないって思うんだよね、こういう口うるさい性格だし」
「あう、あうあ」
何言ってるんだよ、森!
確かにお前は口うるさいけども!
もうクラスの半分が俺らを見ている。飯室は、少しこっちを向いて、くすくすと笑っている。
これだけやられて、気づかれない森もすごいんだよなぁ、感心するよ。
「勉強に向き不向きはないぞ」
「あるんだよねー、それが。あんたはさ、落ち着きがある! 理解力ある! で、勉強に向いてるよ、うんうん」
急にほめられ、どうしていいか分からずきょどっていると背中をぱんぱんとたたかれる。
「……」
理 解 不 能