複雑・ファジー小説

Re: 言霊〜短編集〜(コメント募集!) ( No.33 )
日時: 2012/02/26 18:37
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: kGzKtlhP)

「はああぁぁぁぁぁあ……めんど」

 私——遠山蘭の隣で、友人のレイが呟いた。


『夏休みの宿題—読書感想文—』


 今、私はレイ、そして同じく親友のミクと一緒に勉強している。

「大体さあ……作文って、一体何の役に立つの?」
「そりゃあ……会社に勤めて、プレゼンを作ろうとする時の練習じゃない?」

 私が答えると、レイから、「アンタ真面目だねえ」と言われた。

「まあ、何べんも賞を取っているアンタからじゃ、こんなのひょひょいと出来ると思うけどさ……他の人から見りゃ、読書感想文? 何それうまいの? 状態だよ」
「そう? 結構私は好きだよ」
「……あ! そうだ、蘭が私の読書感想文書いてよ! 好きなんでしょ、読書感想文!! 千円上げるからさ、蘭にとっては一石二鳥、私も含めて一石三鳥、皆がハッピーエンドじゃん!!」
「いや、それインサイダー取引だから。多分」

 ごねるレイだったけど、私のはっきりとした拒絶に、渋々と引き下がった。

「はあ……何が悲しくて高校生になっても書かなきゃならないのよ」
「本は決まったの?」

 レイはだるそうに答える。

「課題図書にした。蘭は?」
「私? 上橋菜●子作品」
「うわお、眠くなりそう。ミクは?」

 レイがそれまで黙っていたミクに話しかけた。
 本人は他の事に集中していて、話を聞いていなかったらしい。レイが一から話すと、ミクはこう答えた。






「……『江戸時代の拷問の術について』」






 サアアアアア……と、空間が凍った。


「……やめておこう、それは」
「うん、それは。一人ぐらい失神者がでるよ」
「え——……」


 ごねるミクを説得するのに、私とレイが必死になって説得を終えたのは夕陽が沈んだ頃だった。


「——って、結局宿題終わって無い!!」


             終わり?


後書き
 何やら良く解らん産物に。上記の人物は『花言葉〜』から。
 ちなみに本当にあった実話ですww