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複雑・ファジー小説
- Re: 言霊〜短編集〜 ( No.6 )
- 日時: 2012/02/20 19:40
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【春色血の色?】
「わぁ…!」
満開の桜。晴天の霹靂。しかも、人が少ない。絶好のお花見日より。私は、後ろを振り返り、仲間達を呼ぶ。
今日は、卒業&就職祝いを兼ねたお花見パーティーなのである。ちなみに、この春らしい企画を考えてくれたのは、常に頭が春模様な我が友Tである。
わいわいがやがや。酒も入って、みんなが盛り上がってきたころ。なんとなく気分が悪いから、席を外す。
席を外す直前、女の子達の叫びが聞こえた。…宴席で怪談とか趣味悪いな、K。とか思いながら、桜の木の木陰を目指す。
「いてっ」
途中、何かに躓いた。なんだよ、と半ギレ気味に足元を見ると、白い何か。そう、まるで骨みたいな。
『なんで桜が赤いか知ってる?』
Kの言葉が脳裏に浮かぶ。
そういや、ここの公園って何年か前に…
はらり、と目の前に一枚。鮮やかな赤色の桜。
「まさか…な」
『は』るいろちのいろ?
by結城柵
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