複雑・ファジー小説

Re: 言霊〜短編集〜(『秋』、シェフ紹介完成!コメント募集!) ( No.61 )
日時: 2012/03/12 17:02
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: kGzKtlhP)


 朝、目を覚めてカーテンを開けると、冷たい空気が肌に触れた。
 バッ!! と全開に開けると、窓一面真っ白になっていた。




『六花が咲き乱れる頃は』



 私は、小さい頃から冬が大好きだった。

 春も好き。暖かく、桜が咲く姿も散る姿も。
 夏も好き。青々とした木々が伸び、白い雲と何処までも蒼く澄み渡っている空も。
 秋も好き。紅葉したカエデやイチョウも。

 でも、冬が一番好き。

 冬はとても寒くて、冷たくて。
 でも、雪が積もっていると、とても嬉しく感じるんだ。
 雪を掴むと、かじかんでしまうけれど。でも、素手で触ってみたくなる。

 触って、触って。
 そうして雪はあっという間に溶けて。


 あまりにも儚くて冷たい。




 ——昔、誰かが私の頭を撫でてくれた記憶がある。
 私の身体は、雪のように冷たくて。心も冷たかったのかもしれない。
でも、誰かがとても暖かい手で、私の頭を撫でてくれた。


 何時の記憶なんて、知らない。知ろうとも思わない。
 ただ、その記憶があって、冬が好きになったんだと、私は想う。




 さて、そろそろ同棲している恋人を起こさなきゃ。

「ほら、起きて、杏平君」


 六つの花が、ちらほらと降り積もっている。
 そんな、何てことのない冬の日。

                     終わり











何かよく判らなくなった(汗

ちなみに、設定は『六花は雪とともに』から(設定がめんどくなってしまった為((汗