複雑・ファジー小説
- 偽者 ( No.19 )
- 日時: 2012/03/23 18:50
- 名前: 美月ルミネ (ID: RNO2RYRs)
話し合いも終わり、夕食を食べに行くため、鈴達は食堂へ行った。
そんな中、朔器達3人と、苺がまだ部屋に居た。
「で?なんでコイツがここに居るんだ?」と月が苺を指差して言う。
「1つだけ言っておくけど。俺がここに居なきゃ、君達の話は鈴に聞かれて全部が終わってる。終末を俺が食い止めたんだよ?」とくすくすと笑いながら彼女は言う。
「気味悪ぃぜコイツ、前から思ってたけど」と月が睨んで言う。「アンタ誰なんだい?他の人格・・・とか?」流器がそう聞くけど、苺は笑うだけ。
「いや、コイツはコイツだ。わざと興味を引かせようとしてるだけだ」
「興味か・・・間違ってはないと思うが。」苺は朔を見ながら言う。どこか狂気のある笑みで。
「ただね。俺はただ鈴が好きなだけ。それは覚えておいてくれる?」
「好き?」
「どこか似てるから、だから本名すら捨てて生きてる。苺として生きる、他の者には興味がないから。だから他の者にはマティで生きる。まぁ時々違うけど・・・」 何処か寂しそうな顔をして、彼女は冷たく言う。まるで氷のようだ。
「鈴は特別に愛してるが、それでは他の者を差別してる。だから他の者には己を見せてる、と?」月がそう言うが、どうしてもピン来ないらしい。
「難しいね。それにもうひとつ聞きたいんだが、苺は未来を一瞬だけしか見えないのに、全部終わってるとか言えるの?」
「簡単だよ?一瞬を重ねれば1日程度の未来は見える」まるでトリックを語ったように言う。
マティと 苺 偽者はどっち? 本物は?
幸せは? 不幸は? 夢は? 希望は? 孤独は?
悲しみは? 光は? 闇は? 影は? 心は? 暖かさは?
思い出なんてきっと何処にもなくて、誰も持てない。持たない。それは過去の裏切りのせいで持てなくなったんだ
誰も知らない。本物の自分なんて、本物の感情なんて、本物の本物だって
ごめんなさい最後まで愛せなくて