複雑・ファジー小説

吸われる感覚 ( No.3 )
日時: 2012/03/13 23:43
名前: 美月ルミネ (ID: RNO2RYRs)

不意に気持ち悪くなった。ああ・・・苦しいんだね。

「ごめんリクー今日はやっぱ行ってくるー」

とリクに伝える。

「おう、薬忘れるなよ?」


「うん、ばいばーい」と手を振り歩く

リクは親友。数十人しか居ないから、男子だけど・・・親友


歩いて3分程度。学校からすぐ近くの私達の帰る場所へ来た。

なんでだろ。帰る場所なはずなのに、早く帰ってくるとドキドキする


「お帰り、すず。今日、早いね」と窓から話しかけてきた

「うん!今日は朔が苦しそうだから、早く帰ってきたの」

「苦しそう・・・?」

「多分お腹減ったんだと思うなー。早く行かないと、じゃね!蝶!」


中に入るといつもの香り。血と、点滴とかの、医療系の香りが入り混じった香り。


「咲き出でて我より風に乞う者ぞ  色が散り行く泡沫の夢」

この声・・・るーだ。この部屋つーなのに

覗いてみると本を読んでいる。月は・・・

「Mi fannno morire di fana(飢え 朽ちてゆけ)」


ずだだだだんだだんっ!

ひゃーーーなんか・・・えーーーなんてゆーか

グラマー・・・じゃないけど凄かった

血を吸う姿ってあんなのだったんだ

覗いちゃ悪かったかなぁ

トンッと肩に手が

「うぴゃあああああ覗いてごめんなさあぁああああい!!」

「何言ってるんだ」

「あ・・・朔」

「蝶器から早く帰ってきたって聞いてな。どうした」

と言われた。

まだ心臓がバクバク言ってる

「と・・・とりあえず、落ち着いていい?」

って聞くと朔は少し微笑んで

「ああ」

とだけ言った。

「朔って最近笑うことが多いね」と言った。

朔が笑うのは、嬉しい。ほんの前まで、微笑みもしなかった

「鈴が元気になったから・・・お前の願いくらいは叶えたい」

笑った姿を見てみたい。寝たきりだった私が呟いた一言

覚えててくれたんだね


「とりあえず、朔の部屋行ってもいい?」

「ああ。さっき戒器が来て、お前に何か置いてったぞ」

「戒君来てたの?足の具合どうだって?」

戒は生まれてからすぐ、化け物と呼ばれ親にアキレス腱を切られた可哀想な器。

だから、あんなことまで起きてしまった・・・

「もう大丈夫だ。歩くのもも慣れてきたらしい」

「そっかぁ・・・早く走れるといいね」

此処には・・・いや、この世界には悲劇が多すぎる


それを知る器(き)も 苦しむ印(いん)も


名称としては「人」じゃないよね

私達は所詮

器(うつわ) と印(しるし)だよね