複雑・ファジー小説

吸われる感覚 ( No.5 )
日時: 2012/03/16 16:48
名前: 美月ルミネ (ID: RNO2RYRs)

病院内では、2人の少年が椅子に座っていた

「おっせーな」

「お前が悪い」

「んだと?お前も結構喰ってたくせに、よく言うぜ」

と口げんかをする。アルとレイだ。この2人は明るくなった。

もう、大人になってる。まだ14歳なのに。

「お待たせ!待ったよね。今日の夕飯は奢るよ」

と聖が病室から出てくる。白銀のロングヘアをなびかせて

開放地区では、朝食・昼食・夕食は担当の人が作り

夜食などは、地区内にあるコンビニなどで買う。

開放地区は、広い。

「待てよ」とアルが引き止める

聖が歩くのをやめた。「どうしたの?」と問う。だが本人は振り向かない。

「どうしたもこうしたもねーよ。また何か隠してるんだろ。」

「聖は何か隠してるとき、私達を見ないからな。」

「あっは・・・ばれた?」と聖がようやくこっちを見る

その顔は・・・とても悲しそうだった

「何年付き合ってると思ってるんだ」

「また誰か・・・消えるのかよ」とアルが呟く

「違う。今度は死ぬわけでもないし、消えるわけでもないけどさ・・・けど、嫌な予感がする」

悩んでる。曖昧なんだろう。

「そんな微妙なら、そんなに大した事はないだろ」

「そう・・・かなぁ?」

「まぁ、どうであっても聖がそんな苦しむことじゃねーよ」

と言い三人は、食堂へ向かう



「あっ、ひーだ!」

と手を振って走ってくる。鈴だ。

「久しぶり、鈴。どうしたの?」

「血塞(けっそく)打ちに来たの。せんせーまだ居る?」

鈴の右手首には包帯が綺麗に巻かれてあった

「その包帯、朔にやってもらったんだろ?鈴は不器用だからな」と笑いながらアルが言う

その瞬間、レイが読んでいた本の角がアルの頭に直撃した。多分、結構本気で殴ったと思う。

もちろん、レイが

「最初は私がやろうと思ったんだけど、朔が見てられないって言って、ぱぱっとやってくれた」

なんて照れながら言う。アルとレイは・・・本で殴り合ってた

「ふふっ、鈴は可愛いねー」

と聖が撫でたら、聖の手に血がついてた。

「え・・・」と自分の手を見つめる聖。

「聖!?」

「違う・・・僕じゃない。鈴・・・?」

鈴は、聖の目の前から、消えていた。

「おいおい・・・なんの冗談だよ。これ」とアルが震える

「アル!?」と走ってアルに駆け寄るレイ。

「おい!アル!しっかりしろ!!何を見た!鈴は何処に消えた!?」と問い詰める

「レイ!落ち着いて!」とレイを止める聖。自分も、たった今、目の前で何が起きたのか、さっぱり分からない

「知るかよ。ただ、聖が触れた瞬間、睨んで・・・消えた」と言う。

「睨む?」

「鈴は・・・そんな事しない。本当に、あの子は鈴だったの?」




           巡り行く死の安らぎ


「あれは、多分鈴じゃない」と後ろから声が聞こえた


「苺?」と聖が言う。アルは苺を睨んでた

「マティか。丁度いい。お前は第六勘で何を見た」

「だから言ってるじゃん。俺が見るのは一瞬の出来事。鈴が消えるとこを見ただけ」




マティ とは 苺の本名  マティ・ラズベリー


その名前を捨てた。苺と


アルとレイは 何も知らない

ただマティって名前と

マティになってる。所謂本性に戻ったとき

俺 と言うだけ


他は知らない



鈴は 何処へ行く


足音が遠くへ  消えてく


歯車

輪廻

絶望


待つのは



さぁ、どれかしら


物語のページは





捲られた




次話  覆いかぶさる闇


貴方は何を推理する?