複雑・ファジー小説

Re: 学園の百不思議!〜コメ下さい&イメージソング勝手に考え中〜 ( No.40 )
日時: 2012/09/17 14:46
名前: 亞扇 (ID: jHyiIImd)

第五話「撲殺天使竹子ちゃん(笑)」



どうやら本当に場所を移したらしく、私が急いで運動場に出る頃には、もう戦いが始まっていた。
……あれ、ちょっと待ってください。
昇降口のドア…開かないんですけど。


ちょ!これじゃぁ見に行けないじゃないですか!(止める気は無いらしい)
「ふん!…ぐぐぐぐぐぐぐ…」
駄目だ、開かない。これ以上やると爪が割れそうだ。
どうしよう…ん?

「これは………バット?」
何故か生徒の下駄箱に金属バットが鎮座していた。
これでドアを割れ、ということだろうか?
きっと違いますね…うん。
試しに床に勢いよく振り下ろしてみる。

手がじーんとした。肘を振り向きざまにぶつけたみたいな痛み。
これで窓ガラス割ったらもっと痛そうだなぁ…
しかも神威さんに殺されそうだ。
仕方なく私は3階のベランダに移動した。そして二人を眺める。



まあ、これはこれは絶景でした。
弾幕の如く小さな爆弾が…いや、何だろうあれは。蝶?神威さんって蝶々なんて操れたっけ?
まぁいいや。でも何か…戦うとは少し違う気がする。「優雅」って言う文字がピッタリ。
いとも簡単に舞うように、美しく、華麗に。そんな風に神威さんは戦っているのだ。
普段の態度もこんなところに反映するんだなぁとか考えながら、一色さん(だっけ?)の方も見た。
………………ん?
…………………………ん?
………………………………あれ。ちょっと待て。
何であの人、神威さんの技を使ってるの?

そこには優雅さの欠片もない、いびつな核があった。
でも…それは確かに神威さんの能力で…!
「コピー能力…か?」
ボソリと呟く神威さん。…コピー能力ってあれ?某ピンクボールのゲームのアレ?
吸い込んだりするの?何それ凄い。
「面白いボケをするね、彼女。」
「…こ、心を読むなぁ!集中してください七位の人!神威さん相手に余裕こいてる暇なんか無いですよーっだ!」
「そういう事。逃げるなら今のうちだぜ。7th。」
神威さんがマフラーを外し、その場でくるくると回す。
すると周りの核の蝶々が集まり、一直線に一色さんに向かった。

「核符「鳳蝶紋の死槍」!」
避ける間もなく爆発する。……凄い。
「凄いですっ!流石神威さんです!綺麗でした!」
「そう?…クスクス、ありがと。」
さて…と言いながら爆発した方向を見る。まだ煙が濛々と立ち上っていた。
私もそろそろ下へ降りようかと、考えていた……が。
「あ…神威さん後ぉ!」
バッと地面から腕が伸びてくる。ひらりと一回転して避ける。
すると、悔しそうに手が戻っていった。

私は下に降り、神威さんの元へ走っていく。
「大丈夫ですか…?」
「ああ。気にしないで。大丈夫だ。」
相変わらずクスクス笑いながら神威さんは服の埃をはたく。
「何だったんですか…今の人。また、襲ってきますかね?」
「さあね。」
「追いかけなくていいんですか!?神威さん、怪我しそうだったんですよ?」
「いいよ別に。…はやく中に戻りな。今夜はもう大丈夫だろ。」
でも…!と続けようとしたが止めた。
だって…明らかに拒絶の色が浮かんでいたから。

私は神威さんが去るまで呆然とするしかなかった。