複雑・ファジー小説

Re: 学園の百不思議!「Up to when?」〜7話更新なう。〜 ( No.50 )
日時: 2012/09/24 22:17
名前: 亞扇 (ID: jHyiIImd)

八話「私の学校はそろそろ修学旅行だ…(嫌)」



夜、私たちはまだ校舎内に居た。
祐太君は初めての友達が嬉しいらしく、ずっと喋りっぱなしだった。
「お姉ちゃん、不死鳥って知ってる?」
「?フェニックスのこと?この学校に居るの?」
「そうだよ!教室に行くとね、ずっと悲しそうな顔で南を向いているの。
とくに悪いことはしないけどしばらくの間、金縛りにあうんだって!」
へー…知らなかった……
「でもね、虐められたり怪我をしたりするとね。ある呪文を言えばその人が助けてくれるの!」
「…呪文?」
「うん!…その内容なんだけど……」
呪文の内容を聞きながら、私は何処へ向かうか考える。
もう大体校舎の中は回ったし……………あ、そうだ!
「祐太君、校長室に行こ!会わせたい人がいるの!」
神威さんは人間嫌いとか聞いたこと無いし…きっと仲良くなってくれるよね。




「神威さーん!いますかー!?」
ドアを叩き、私は中に入る。…丁度地獄から帰ってきたようでその場に立っていた。
「…クスクス、返事をもらう前に部屋に入るのは感心しないな。」
「あ……!す、スイマセン!!」
頭を90度くらい下げる私。そんな私を見つめる祐太君。
「あ、えと神威さん!こちらは祐太君です。人間の男の子なんですよ。」
「こんばんは。」
「……どうして人間がこんな時間に?もう家か寮に帰ってるはずだぜ?」
「今日は一緒に遊んでいたんです!」
神威さんは、適当に返事をする。そしてスッパリと言い放った。
「家に帰してきな。」
「…え。」
どうしてですか!?と私が反論する前に、心でも読みとったかのように私の目を見る。
「クスクスクス、それとも俺に挑んで玉砕する?好きにすればいい。」
「そんな…」
相変わらずクスクス笑う神威さん。項垂れる私。
…何処か気に入らない所があるのかな?
「神威さん、もしかして人間が嫌いなんですか?」
「そういう訳じゃない。むしろ好きな部類に入るよ。」
「祐太君は虐められているんですよ!?私や銀さん達が初めての友達だって言ってました!」
「……………それだけいれば…十分だろ。また明日会いなよ。」
「神威さんは…友達になってくれないんですか!?」
神威さんが今度は黙り込む。まだまだ私は止まらない。
「神威さん、そう言っていつも逃げてるだけですよね!?自分が序列1位だってことを鼻にかけて威張ってるだけじゃ
ないんですか?序数1を長引かせているのは[負けていること]だと思います!私にはそう見えました!!!」
バン!と勢いよく机を叩く。隣で祐太君がビクッと震えた気がしたが眼中にも入らなかった。
神威さんの鋭い目が一瞬だけ下を向く。そして真っ直ぐに私を見た。
「逃げていない。負けてもいない。俺は誰にも負けない!…序数最下位のお前に何ができる?」
「!!」

次の瞬間、私も何が起こったのか解らなかった。
気が付いたら神威さんの後ろの壁が粉々に粉砕されていた。…そして、いつの間にか私の視線がいつもより高くなっていた。
「お姉……ちゃん?だよね?」
「え?」
「お姉ちゃん……そんなに身長が高くなることもできたんだね。」
ビクビク怯えながら遠慮がちに私を見つめる祐太君。…しまった!やってしまった……
「…修理代、払ってもらうからな。取り敢えず地獄の予算から差し引いておくよ。」
「あ!神威さん!待ってください!」
私は追いかけようとしたが、体がいつの間にか縮んでしまった。
そして…校長室のドアが激しくノックされる音を聞いた。