複雑・ファジー小説
- Re: 学園の百不思議!「Up to when?」〜8話更新なう。〜 ( No.52 )
- 日時: 2012/09/25 18:31
- 名前: 亞扇 (ID: jHyiIImd)
第九話「僕とDQNと時々勇者」
「何でしょう…まさか、校長先生が!?」
「お姉ちゃん……違うよ…アイツらが来た………」
「アイツら?」
何のこと?の、「な」の字を言う前にドアが粉々に砕かれる。
そこには見るからにガラの悪そうな中学〜高校くらいの男の人達と、祐太君と同い年くらいの男の子3人がいた。
「ゆーぅた君☆ちゃんと寮に帰らなきゃ駄目だろ〜?寮長の先輩たち怒ってるよ〜?」
「何で……此処が…」
「んー、なんかねー。お前の声が聞こえたからぁー、わざわざ此処まで来てやったの。ОK?」
祐太君は顔面蒼白のまま私を見つめた。…どうにかしてこの場を切り抜けなくちゃ!
でもどうやって?この人たちをどうやって倒すの?…今の私にはほんの少し、通常の女の子より少し力が強いだけだ。
しかも、いくら最悪な子たちとはいえ、怪我をさせるのはマズイ。
祐太君が続ける。
「何で僕を虐めるんだよ!僕が何か悪いことしたのかっ!?」
「え……?あぁ、それはだな」
「地味で真面目で暗いから。…ああ、あと何もいない所に向かって話してるよな!」
「そんな感じで、俺たちと先輩の意見が一致して。で、今ココ。」
虐めっ子グループの主犯のような男の子が祐太君を指さし、鼻で笑った。後ろから先輩たちの笑う声も聞こえた。
祐太君は未だに、男の子たちを睨みながら唇を噛み締めていた。
「お姉ちゃん…………逃げて。」
「え?」
「巻き込んだのは僕の責任でしょ?早く!」
そんなことできるわけない。此処に案内してしまったのは私の責任だ。
すると、後ろの方で誰かの声が響いた。
「てか…おいガキ!誰だよその隣のカワイイ姉ちゃんは。」
恐らく私の事だろう。
「僕の友達……いや、僕の彼女だっっっっ!!!!!」
「そうか。じゃあ、その子と一緒に死んでいきな糞ガキが!!」
祐太君が私と一緒に床に伏せる。それと同時に先輩たちがそれぞれの凶器を振り回しながら走ってきた。
どうしよう、殺される!……そうだ!祐太君が教えてくれた呪文…あれが私の聞き間違いじゃなければ!
「助けて-----------!フェニックスマ-----------ン!!!!」
私がそう叫んだ瞬間に、目の前に紅い髪の女の人が炎を纏いながら降りたつ。
「本当に来た!」
「誰、私にやられたいのは…貴方?」
「え、いや、違う、私じゃ」
「っていうか軽く…いや、ちょっと本気で殴らせて?」
「それは…駄目です!」
「何?人のコト辱めてそんなに楽しい?」
「だって、祐太君がそう呼べば来るって…」
私は伏せたままの祐太君を見る。……目を逸らされた。
「…まぁ、いいわ。取り敢えずはコイツらを片づければ……」
「あ、わ、私も!」
「動かない方が良いわよ。肋骨の3、4本は折れてると思うわ。」
「へ?」
スッと立つと確かに肋骨あたりに激痛が走り、「もぎゅぼっ!?」と悲鳴を上げてしまう。
「すごく……痛いです…」
バタリと床に伏せる(?)私。それを見て不死鳥さんはため息を吐いた。
「何なのかしらこの子…まあ、でも取り敢えず今は!」
そう高くない天井に両足をつけ、そのまま相手にダイブする。
「不死「火の鳥の舞い!」」
あっという間に相手は消し炭になり、跡形もなくなってしまった。
「さてと、コイツらの今後は閻魔に任せるとして………大丈夫?」
「…………………」
「おーい。お嬢さんー?」
「あ!す、スイマセン!」
ボンヤリとしていた私を見て、黙り込んでしまう不死鳥さん。
…すごいな。何で服燃えないんだろう。
「……ねえ、私が怖い?」
「え?あ、あの、えっと。」
「…ゴメン。なんでもない。」
そのまま出口の方へ歩いて行ってしまった。……お礼がしたかったのにな。あと服のことも。
「取り敢えず今はここから出ようか、祐太君。立てる?」
「うん。お姉ちゃん、ありがとう!」