複雑・ファジー小説
- Re: 学園の百不思議!「Up to when?」〜9話更新なう。〜 ( No.53 )
- 日時: 2012/09/26 17:49
- 名前: 亞扇 (ID: jHyiIImd)
第十話「虐めは虐めてる方が100%悪いからね。」
次の日、どういう訳か私は祐太君に告白された。
あの、恋愛的な意味で。
普通に文月さん達の前で「僕の嫁になれ」宣言だから。
また四季姉妹が舞いあがっちゃって大変だった。…あ、あと千さん達もね。
そして夜になり、祐太君や他の生徒も帰宅した後。
そろそろ寝ようかと考えていたので、廊下をプラプラと歩いていた。
「あ……あれは…不死鳥さん。」
教室の窓側の席に、昨日と同じ。赤い髪の綺麗な女の人が南を眺めていた。
「あ、貴方は昨日の…調べたんだけど座敷童みたいね。」
「はい!座敷童の坂間 竹子です!!」
「そう。私の名前は、不死 紅羽。よろしくね竹子ちゃん。」
私と紅羽さんは握手する。…そういえば握手って久々にしたな。
紅羽さんは手を離し、私と正面から向き合った。
「どうして紅羽さんは南の方向を向いていたんですか?」
「私の故郷…南なのよ。私は朱雀だから、南の方向を守るのが使命なの。」
「朱雀…?ってことは他の妖怪さんもここに居るんですか?」
「ええ。玄武も、白虎も、青龍も。みんな私の仲間よ。」
「へぇ〜。まだ会ったことないなぁ。」
そりゃあ百人も凄腕がいるんだもんね。会うのは相当かかりそうだな…
「竹子ちゃんの故郷はどんな感じなの?ちょっと気になるわ。」
「私の故郷ですか?………うーん、何処なんでしょう。」
「え?」
キョトンと可愛らしく紅羽さんが呆けた顔をする。
だって…分からないものは分からないし。
「私の故郷ってよく分からないんですよ。いつも人の家を転々として居候していたりするんです!」
「ほうほう、流石座敷童ってトコね。…じゃあさ、何処で生まれたとかって分からないの?」
「それが分からないんです…あ、でも仲間はいるんですよ!」
「仲間?」
私は、ハイ!と大きく返事をするとそのまま続けた。
「気が付いたら一緒にいて…私よりもずっと年上なんですけど優しいんですよ!!……はぁ。皆元気かな。」
「そっか。会えるといいわね。」
紅羽さんは、私に優しい笑顔を向ける。
「じゃあ、そろそろ私は寝るわね。お話有難う。」
「いえいえ、こちらこそ。おやすみなさいです!」
紅羽さんは、おやすみ。と言ってそのまま窓から飛んで行ってしまった。
私も帰ろうとして、教室のドアを閉める。
「………あ、そうだ。」
昨日のことを神威さんに謝っていなかった。流石に壁を壊したのはやりすぎたしね…。
私は謝るために、校長室へと歩き始めた。