複雑・ファジー小説

Re: --12人の巫女と1人の少年--  巫女募集中!! ( No.18 )
日時: 2012/03/30 15:47
名前: 歌音 (ID: F08K/Z64)








アクアと話しているとまた誰かが入って来た。


「アクア〜、あいつ目覚めたかぁ〜」

タヌキみのぬいぐるみみたいな見た目をした生き物が、ふわふわ飛びながらこっちへやってくる。
なんだ…あの生き物は…。

「あ、マナ! うん、未来さん起きたみたいだよ♪」

アクアはあの変な生き物を「マナ」と呼んでいる。
普通に話しているけど…あれは絶対に普通の生物ではないよな…?

「お、目覚めっとったか…。おい、未来。」

変な生き物はオレの目の前まで飛んできてオレの顔を見ながら話しかけてくる。

「なっ、なんだ…。」

「国王様がお前を呼んでる。早く来い。」

「はぁ? 国王様?」

あ、そういえばさっきもアクアも国王様がどうとか言っていたような…。

「づべこべ、言ってないでさっさと来るぞ! 国王様を待たせると罰金だぞ!」

「罰金?!」

まだなにがなんだかよく分かっていないが、とにかく罰金は嫌だからタヌキの言う事をとりあえず聞いておこうと思う…。
部屋を出ようとしたらアクアが、

「私はいつも、この下にあるパン屋でお手伝いをしているので良かったらいつでも来てください♪」

と言って笑顔で見送ってくれた。
あの子…凄くいい子だな…。優しいし可愛いし…。
アクアの余韻に浸りながら外に出てみると、そこには驚きの光景があった。


「なっ、なんだこれはァァァァ?!!!」

いつもオレが日常生活で見ている世界ではなく、遥か先の未来を描いたアニメのような世界が広がっていた。
色鮮やかでヒカリ化焼いている街。
何処までも広がる青い空と空飛ぶドラゴン。
人力車ならぬドラゴン力車。
良く見てみると、タヌキみたいなふわふわ浮いている動物や妖精的なものが沢山いた。


「な………。」

声も出せないくらいに驚き固まっていると、タヌキがそばに寄ってきて…

「ほっほう…これは予想どうりの反応じゃな…。」

とオレの顔をジロジロ見ながら言ってくる。

「おい、タヌキ! ここは何処なんだ!!」

「それは国王様がしてくれることになっておるぞ。
 さぁ、早く来い。」

質問には答えずにタヌキはそういうと何処かへ飛んで行く。
仕方ない、何もかもを知るためには国王様とやらに会いに行くしかないらしい。
オレは今度こそホントに腹をくくってタヌキのゆうとおりに国王様に会いに行くことにした。