複雑・ファジー小説

Re: 桔梗ちゃんの不思議な日常。 ( No.8 )
日時: 2012/10/21 22:00
名前: 藍永智子 −アイナガサトコ− (ID: w/bUrDOd)

 火矢八重様、ありがとうございます!
 うわ〜、あやめってかわいい! *(^^)*
 私の実力では八重様(以後、こう呼ばせて頂きます)の思い描くキャラクターには届かないかもしれませんが、そのアイデア頂戴いたします!(すでに、大分変わったキャラですので、ご了承下さいませ…m(- -)m≪スミマセン )

+++++++++++++++++++++++++++++++++

 「ききょーちゃん、遅れすぎっ! 寝過ぎ! お酒飲み過ぎ! 寝坊助ちゃんになっちゃうよ! あ、でも、いっぱい寝てるのにクマできてるよ? 何故ぽ? ……おしっ、分かんないから諦めちゃおっと。いつまでもこんな事考えてたら頭オカシイ人になっちゃうしね! でもさでもさでもさ、寝坊助ちゃんになったら…あんなふーに叫んでも、ぜ〜ったいに起きないから、やっぱ違うのかにゃ? んと、じゃ、準寝坊助ちゃんでどう? でも、面倒臭いから、やっぱききょーちゃんで良いや! ……とりあえず、おぱ! ききょ!」

 桔梗が、物凄く急いで玄関から飛び出してきた矢先に、「寝坊助」という三文字の話題でぺらぺらとしゃべり続ける事の出来た、この少女の名は——

「あやめ、おはよ。でも、私お酒飲んでないからね……」

 それまでせわしなく動いていた、あやめという少女の口が、はた、と固まった。……と思ったら、鼓膜を突き破るような大声を発した。




「えぇぇぇっ!!!!!!」




 約十秒間の沈黙。

「……未成年はお酒飲まないし。それに、私、ニオイでもうダメだから……」
「うっそーん! だってだってさっき、ききょー、完全に二日酔いの気持ち悪いクソじいさんの顔になってたよ!? しかも、最低ゾーンをくぐっている途中の五十代前半のあのぬらぬらするトコらへん!」
「なってないし、ヤダよ!! というか、表現が具体的すぎて、本当に怖いよ!!」
 このとおり、なんだかとっても不思議な言葉を使いながら、自分のペースでべらべらとしゃべる、この少女の名前は星宮菖蒲ホシミヤアヤメ。じっとしていれば、小動物並みに可愛いのだが、一度口を開くと収まるのに時間がかかる…。まぁ、どの学校にも必ず一人はいる「アレ」だ。
 「和菓子集め」という大分変わった趣味を持っているものの、明るい性格をした人望のある女の子なので、いじめられたなどの話は一切聞いたことがない。あと、双子の弟がいるとかいないとか。
 と、突如アラームが鳴るあやめの携帯。
「お。そろそろ出発すれば、ちょーど良い時間にガッコに着くよ」
「そんなの分かるの?」
「うん。小学校で習った『速度』の応用。でも、ききょーなら一発で分かると思うよ? 説明しよっか?」
 わかんないよ! この数学馬鹿! ……と心の中で叫ぶ桔梗。美術のみを得意とする桔梗と、理数系のあやめ。桔梗が理解不能なのも、当然である。
 だが、まがりにも悪霊共と戦う者として、学校では習わない———「悪霊の撃退法」や「悪を退けるための心得」「敵を味方にする100の方法」「初心者でも出来る! 簡単・日本刀の扱い方」などに関しては、すごく詳しい。オカルト研究部の部長なんかよりも、実戦で役に立つ知識を載せた、動く辞典(ただし、内容に片寄りあり)なのだ。

「とりあえず、行こッ」

 通学路で、何度かヤツらを見かけたけど、何故か大人しくしてくれていたので、今日は久しぶりに誰かと一緒に校門を通ることができた。

                *

 靴箱で上靴に履き替えている時、私の後ろに立っていたあやめは妙な事をぼそぼそと呟いていた。
「……やっぱり、ききょーが……急がなきゃ……もう能力……開花始まって……」
 かすれる程ちいさな声だったから、あまりよくは聞こえなかったのだが、確かにそう言っていた。
 一瞬、何のことなのか聞こうかと思ったが、そう呟くあやめがいつもとは別人になったようで、なんだかおそろしかったので、やめた。