複雑・ファジー小説
- Re: PKK 【オリジナルキャラクタ募集中!】 ( No.16 )
- 日時: 2012/04/12 21:58
- 名前: ゆn ◆Q0umhKZMOQ (ID: vQ/ewclL)
痛みに叫び声をあげる。
感じたことも無い、強い痛みに。
目を見開けば、またランスを僕に向かって振り上げる漆黒の騎士。
顔、と呼べるところは一つも無くて、きっと心もないんだろうなって思う。
いつもなら見ることの無い自分の血液が、空中に舞っている。
嗚呼、そっか。僕は……きっと死ぬんだ。一度、死ぬんだ……。「辛いなぁ」レンゴクと会えなくなっちゃうのは。まだお互いのことも、ちゃんとは知らないのに……僕だけ、死んじゃうんだろうな……。
「半月が……レンゴクが、みんなが、大好きだったのになぁ……」
「……そうか。貴様がそう思っているのなら、助けない理由は存在しない」
涙声で、小さくか細かった声だった。もう、レンゴクやミルディ、半月のメンバー達とエリアやダンジョンの攻略に出ることが出来ないんだと思っていた。一番、自分の思いを聴かれたくなかった人物が、目の前にいる。
ゆっくりと涙を塞き止めていた瞼が、その役目を全うしたというように上に上がる。目から頬、輪郭を伝って落ちる水滴は、風が目に当たったんだと自分に今更ながら言い訳する。
その風との壁を隔てた向こうに、君は着てくれたんだね、レンゴク——
「レンゴク……なんで、」
「……貴様が此処にいそうだと、ミルディから聞いた。だからだ」
そういうとランスを振り上げる、その長い動作を漆黒の騎士が行っている瞬間にレンゴクは思い切り上空に飛び上がる。何時の間にか真っ暗になったエリア<<漆黒の騎士>>で、影の王と対峙するレンゴクの姿は月の儚げな光を浴び、空に瞬く星のようであった。
……ううん、流れ星だ。願い事を必ず叶えてくれる、夢みたいな流れ星だ。漆黒の騎士からの攻撃を避けながら、見えない急所を探るように短髪の強攻撃をレンゴクは繰り出す。
凡そ推測だが、漆黒の騎士のレベルはエリア<<漆黒の騎士>>では考えられないほど強いのだろう。目の前で繰り広げられる激しい戦いをしっかりと記憶に刻み込みながら、心の底からそう思う。
鬼神と謳われた彼が、覇者と呼ばれる彼が、彼にとって庭のような中ランクエリアの、裏ボス的立ち居地にいるこの漆黒の騎士を連撃一発で倒すことが出来ていないのが、それを楠に悟らせていた。
レベルで言えば……700半ば。レベルもステータス値も装備品や装飾品を最上級のものに取り揃えなければ、一発では倒すことが出来ないレベルであった。
苦戦を強いられているレンゴクからは、息は上がっていないものの少し疲れが出ている部分もあった。あくまでも、レンゴクにはそう感じられないでいた。ただ、腕が重く少し足がだるい、気がする。抽象的で、曖昧なものなのだ。レンゴクにとっての感情は。