複雑・ファジー小説
- Re: 銀雪の祠 【コメ求!!】【一話更新!!】 ( No.10 )
- 日時: 2012/04/17 20:49
- 名前: ガリュ (ID: F.VKszn7)
第二話【二輪ノ一枚目】
封じ者の役目をやることにした慧宮桜祁は居候(?)することになった銀式とともに慧宮家の一階の和室で封じ者や妖達のことを、刑部の代わりに刑部の側近の右巫女が教えていた。
「——で、怨みや憎しみによって妖怪になったものもいる。」
銀式はあまり自分に関係がないので桜祁のそばで眠っていた。
「ということで、桜祁。今から特訓するぞ。」
それを聞いた桜祁は面倒臭そうな顔をした。その顔が頭にきた右巫女は桜祁を蹴り飛ばし、飛ばされた桜祁は寝ていた銀式の横腹にあたる。
銀式は「ギャンッ」と驚き、悲鳴をあげた。
「こ、このぉ!!なにするんだ右近!!いたいぞぉ!!」
「右近じゃねぇよ!!右巫女じゃ!!」
「本名だろぉがぁ!!」
桜祁は二匹(?)をなんとか止め、森で特訓することにした。
「いけぇ!!そこだぁ、桜祁ぃ!!」
「なんで私が相手をしなければならないんだぁ!?」
特訓は日がすっかりおちるまで続いた。
「もう暗いな。夜は妖の力が一番発揮されるから帰った方がいいな。」
三人は暗い不気味な森の中を歩いていた。
すると、近くで九つの赤や青の灯が動いていた。
『九尾狐か…。気をつけろ桜祁、絶対に奴の目をみるな!!』
しかし、桜祁は暗いため木の根に足をかけてしまう。
転んだ先は茂みでガサガサッと音をたててしまった。
その音に九尾狐は耳をピクッと動かし、音がした方向に耳を傾け、
銀式達に振り向き、赤い目で睨みつける。
「仕方ない、逃げるぞ!!桜祁、奴と目をあわせるな!!合図するまで、私
の毛に顔を埋めとけ!!」
桜祁は銀式に言われた通りに顔を埋める。
右巫女は後ろで狐の様子をうかがっていた。
「くそっ!!追ってきたぞ!!銀式はただ走っておれ!!」
そう右巫女は言うと手を合わせ、
『千の陣』
右巫女がそうとなえると九尾狐の周りが光りだし、光りは天まで続いていた。光りの柱は一瞬眩しいほど輝き、消えていった。
「逃がしてしまったか…。まあいい、狐火も見えないし気配もない。」
どうやら妖力が強い妖らしい。
「もうあげていいぞ。桜祁、あいつには気をつけろ。」
銀式はそう言った。