複雑・ファジー小説

Re: 銀雪の祠 【コメ求!!】【二話更新中!!】 ( No.14 )
日時: 2012/04/20 22:35
名前: ガリュ  (ID: F.VKszn7)



       第二話【二ノ三】

 人間のせいで私は——…。

   


     人間が憎い。

昔、猟師や村人、山賊達は生きるために私達は狩られてきた。
生きるためだから仕方がないし、私達も同じようなことをして生きているから許すことが出来た。
           
しかしある日、遊ぶためだけに獣を狩りにきた近くの町を治める殿がきた。

相手はバンバンと獣を撃っていった。
私は許せなかった。

相手は猟銃を持っているが怒りと憎しみが猟銃の恐さを押し潰した。

私は茂みから相手に襲い掛かったが
猟銃で撃たれた。弾は心臓を貫いた。

相手はバカな奴だと私に近づきながら言った。



意識がだんだんと遠のいていくのがわかった…。


  憎い…苦しい…痛い…許さない…人間め…人間めェェ!!

そう思ったとき、意識がもどってきた。気がついた時には体は赤青く光っていた。なぜか苦しくも痛くもなかった。不思議に思い、傷口をみてみると傷はふさがっていた。

体をゆっくり起こし、自分の体をみてみると、尾は九つにわかれ、目は紅色の染まっていた。

今までの体より美しかった。

そうだ——。今ならこいつ等に仕返しが出来る…。

私の周りにいた殿…いや、低能人間のような心をもった人間は紅い炎に包まれ、炎とともに吹き飛ばされていった。

私は残った人間達に村人や山賊以外立ちいったらどうなるか…といって
人間たちのまえから消えた——。それから森を離れ、旅を始めた。



    ———


考え事をはじめた銀式は呟く。
「あ、思い出した。妖怪の名前で『龍女』だ。解説すると、女の龍だ。龍宮城に住んでる。刑部とは知り合いだと思うがな。」

銀式が言い終わったタイミングで少女は目を覚ます。

「…ここ…どこ…?」

少女はゆっくりと起き上がる。
桜祁はとめたが少女は構わず起き上がった。

「私、水季。龍宮城からきた。この世界で飛んでいたら、いきなり視界が白くなって…。で、墜落した。暇だったからここにしばらくいようと思い、人間に化けた。そしたら、九尾の狐が追いかけてきたから逃げた。」

「え、じゃあなんで屋上から…?」
「私、あの妖の気持ちわかる。だから、わからなくなった。」

水季は銀式をなぜか撫で始めた。銀式は気持ちよさそうにしている。

「むむむっ!!おまえ、癒しの力をつかえるのか!?」

銀式がそう言うと水季は微笑みながらコクッと頷く。
水季は撫でるのをやめると桜祁に顔を向ける。


「頼む。しばらくここに居させてくれないか?」

桜祁は「は?」とでも言いそうな顔をする。

「別に賑やかになるのはいいんじゃないか?」
水季はペコリと頭をさげる。それに桜祁は戸惑う。

右近、銀式は変な目線をおくってくる。
視線が限界になった桜祁はいいよと言ってしまう。


水季は顔をあげ、ニコリとありがとうございますと言う。