複雑・ファジー小説

Re: 銀雪の祠 【コメ、くださいませんか】 ( No.6 )
日時: 2012/04/14 22:30
名前: ガリュ  (ID: F.VKszn7)




        第一話【一ノ二】
        『銀雪の祠』

 「む…、おまえ、封じ者か?」

銀式の言葉に桜祁は眉を顰めた。

「封じ者って…なんだ?」
『なに!?お前知らないのか!』

銀色はまた顔を近づけ、匂いを嗅ぎ始めた。

「おい、お前の家にいくぞ。」

いきなりの言葉に桜祁は動揺するが、なんて言えばいいのかわからず、
言われるままに銀式を家に案内をした。銀式は家につくと家辺りを嗅ぎ回り家の中に入っていく。そして、銀式は一階の座敷の部屋に入った。
畳はまだ日焼けをしておらず緑色で、畳の香りがした。

「むぅ〜。ここの部屋に隠し扉とかないのか?」
「え?わからないや…。」

返答に銀式は舌打をした。
銀式はしばらくかいでいると、一つの畳を爪で持ち上げる。すると、畳のしたから箱がでてきた。

「おい、開けろ!」

桜祁はまた言われたままに箱を開ける。すると箱のなかには紙が大量に入っていた。

「これ…なんだよ…。」

桜祁は恐る恐る箱のなかの一枚を手に取る。和紙のような半紙のようだった。

「それは封じ札だ。妖を封じることができる紙だ。だが、選ばれた者
 しか封じる事ができない。」
「何でそんな物が家にあるんだ?」

桜祁が首をかしげる。
銀式は桜祁の瞳をじっと見つめてこう言った。

「その選べばれた者は、そう、慧宮桜祁、お前だ。」

桜祁は持っていた紙を手からはなしてしまう。紙はヒラリと銀式の手の甲のうえに落ちる。

「お…俺が…?」
「そうだ。おまえだ。だから
 そのお前にやってもらいたいことがある。」
「やってもらいたいこと…?」

 銀はやさしく紙から手をはなし、銀のふとももに手をのせる。

「封じるのは二、三人にしか出来ないことだ。」
「だ、だからってなんだよ…!」
「私に協力してくれないか?」
「協…力…?」
「あぁ、玄妖を倒すのを手伝ってほしいんだ。」

桜祁は銀式がふとももに置いた手の上に手をのせる。