AGO「ああぁああぁあッ!!」身体中を駆け抜ける電流。爪先がピリピリと痛む。此処から出ることなどやはり不可能だったのだ。少年は小さな体を丸め、俯いた。人々は此処、サウスト州アラド地区のことを『閉ざされた町』と呼ぶ。入る人はいても出てくる者はいない。それ故だ。「外の世界に……出たいよ……!」一人呟くが答える声は無い。覆ってゆく冷たい闇に身を任せ彼の意識は闇へと堕ちた。