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複雑・ファジー小説
- Re: かみさま世界《参照200突破!感謝ですっ》 ( No.47 )
- 日時: 2012/06/01 23:17
- 名前: 六花 ◆6qjBq4Z8HU (ID: Mu5Txw/v)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
廊下の冷たい木の感触が、足の裏に伝わる。
目の前の男は、突然出てきた結に驚くこともなく、結の姿を認め、満足そうに微笑んだ。
一見するとただの人間だが、…違う。
笑みに細められた色素の薄い橙色の瞳。すらりとした長身の体躯。
そのすべてに人ならざる色気がある。
それに、なにより。
「やぁ、君が神代結か。こんにちは」
——————————この、苛烈な神気が。
無意識に体がすくむ。
意識しなければ、呼吸もままならないほどだ。
「…ねぇ、とりあえずあがっていい?」
そう言って彼が示すのは、倒れ掛かったおばあさん。
「———っ」
ザァ、と音を立てて、血の気が引いていく。
足に根が生えたかのように、動けない。
これが、神か。
神を前に、わたしは。
意識を手放さないようにするので、精一杯だった。
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