複雑・ファジー小説

Re: かみさま世界《参照200突破!感謝ですっ》 ( No.60 )
日時: 2012/06/05 17:19
名前: 六花 ◆6qjBq4Z8HU (ID: SEvijNFF)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode




「いつまでそんな怖い顔してるの」

苦笑まじりに彼は言った。





社の離れの一室。結は、神と対峙していた。

「おばあさんを部屋まで運んでくださったのには、感謝しています。…それで」





——————あなたはどなたですか?





結の問いに、彼は笑みに橙色の瞳を細めた。
次いで、形のいい薄い唇が開かれる。

「俺は、ね」


その強いまなざしに、一瞬たじろぐ。


「火神(かがみ)。火を操る、神。名は…陽」

よろしく、と彼————陽は、ニコリと笑んだ。

頬杖を解き、緩慢な動作で結を指す。





「君を、守りに来た。…俺と、あいつが、ね」


「—————…」



あいつ、とは夜神の事だろう。


…その、神がわたしを、守りに来た?


意味が分からない。いったい何からわたしを守ると。




「信用できてないみたいだね。…じゃあ、教えてあげる」







——————————君は、ね。






紡がれた言葉に、結は愕然とするしかなかった。



わたしが。





…わたしが?










—————————神の…。