複雑・ファジー小説

Re: かみさま世界*オリキャラさんくすでした!* ( No.99 )
日時: 2012/09/17 18:01
名前: 六花 ◆6qjBq4Z8HU (ID: lDBcW9py)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode





「……陽、でいいんですか?本当に」


陽と机をはさんで向かいになるように座った結は、けげんそうな顔で尋ねる。

しかし神はあっさり頷いた。


「うん。様づけとか慣れてないしね。それに結ちゃんに様づけで呼んでもらえるほど、俺はえらくないし」
なにより怒られちゃうから、さ。

「…………」





さっきから意味の分からないことばかりだ。神なのにわたしよりえらくないってどういうことだ。
怒られるって誰に。娘さんって……。









「……えっ」



ということは。陽は、わたしの父を、母を、知っているということになる。







—————————今なら、聞ける。手が、届く。



でも。






「……聞かないの?」

面白そうに陽が私を見る。


「夢、見るんでしょ?気にならないの」


「……気になるに決まってるでしょう」

挑むように目の前の神を見る。
気になるに決まっている。自分の父母は誰で、なんで夢の中であんな顔をしていたのか。



知りたい。



聞きたい。



この手を、のばせば、そこに。


だけど。




「いい、です。今は、まだ」


それは多分自分で思い出すべきこと。思い出せないのはきっと。

まだその時ではないから。



「そっか、ならいいけど」
陽は小さく笑み、ふところから何かを取り出した。


「はい、これ」


差し出されたそれは、勾玉。
手のひらに伝わる冷たい石の感触が気持ちいい。



「それは、普通の勾玉じゃない。神気を込めながら造られた特別なものなんだ」


そこまで言ってから、陽は首からさげていたもう一つの勾玉を外し、手のひらに乗せた。



「神にも神格という、階級がある。生まれ持った神気の強さで決まるそれは、例外がなければ一生変わらない。そして階級別に特別な勾玉が与えられ、上から、翡翠、紫紺、瑠璃、紅蓮、琥珀、金色、月白と七つに分けられる」


ちなみに俺は瑠璃で、夜神は紫紺な、と陽は付け足した。
陽の勾玉は確かに瑠璃色だ。



視線を滑らせ、自分の手のひらにあるものを見つめる。










——————————これは、もしかして、もしかしなくても。







「…………翡翠……?」