複雑・ファジー小説
- Re: 『いのち』が伝えるもの・・・。 『彼女が俺を・・・。』 ( No.15 )
- 日時: 2012/05/09 17:19
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
--------------いきなりだったため、当然彼女は驚いた。当たり前だ。
下手をすれば、引かれてもいいレベルだろう。嫌われる覚悟はもちろんあった。
それでも、俺は知ってほしかった。自分の本当の気持ちを・・・。
だが・・・彼女はただ微笑んでくれた。
そんな俺を受け入れてくれた。俺が彼女を信じきれていないにも関わらずだ。
しかし彼女は昔から俺が悲しみを必要以上に背負っているのを知ってる。
そんな俺をそれ以上寂しくしないようにと、彼女はいつもそばにいてくれた。
微笑んで・・・ずっとそばにいてくれた。
--------------そして彼女はこんなことを言ってくれた。
『私が・・・あなたのその悲しみに満ちた心を変えてみせる。
そして・・・いつか18歳になっても、まだ生きていたいと心の底から思えるようにしてみせるから。』
・・・・・嬉しかった。こんな俺のために、そこまで言ってくれるなんて・・・。
確かに、今は悲しみに満ちている俺だけど、
それが救われる日がいつか本当に来るのなら自然と希望が持てた。
今の自分には想像できないことだが、いつかそんな日が本当に来ればいいなと思っていた。
--------------それから約1年、彼女と過ごした。
彼女と過ごした日々は新しい発見、新しい経験ばかりだった。
いくら幼馴染とはいえ、今は一人の『女性』だ。
女性と触れ合うのは慣れていないため、いざ『好き』ということを自覚すると、急に緊張するようになった。
・・・・・・・が、悪くなかった。むしろ心地よい感覚。
海遊館に遊園地、時には公園で昔のように遊んだりもした。
本当に楽しかった。久しぶりにこんな感覚を味わった気がする。
それも彼女のおかげ・・・そう感じるようにもなった。
--------------そして徐々に・・・俺の気持ちに変化が訪れていった。
あそこまで意志が固かった俺が、いつの間にか本当に『生きたい』と思い始めていた。
彼女のそばに入れるなら・・・
否、俺が彼女を守ってやりたい、そう感じるようになった。
彼女といれば・・・俺は自分を見失わずにすむかもしれない。
-------------そして俺は決めた。
プロポーズをする事を・・・。
彼女が俺の事をどう思っているかなんて分からない。
だけど・・・今やらなきゃ一生後悔するのは確かだ。
昔から俺は彼女に助けられてきた。今度は俺が彼女を支える番だ。
俺は彼女を・・・・・・守ってやりたい。
たとえ拒絶されても・・・悔いなんてない。
やっと俺は一歩前へ進めるんだ。昔からずっと止まっていた足が・・・やっと動くんだ。
だから・・・・だから・・・・・・・・
------------------だがそう決めた次の日・・・・、
彼女は永遠に帰らぬ人となってしまった・・・。