複雑・ファジー小説
- Re: 『いのち』が伝えるもの・・・。 『悲しみは・・・。』 ( No.19 )
- 日時: 2012/05/12 14:44
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: 『いのち』・・・それは伝えるもの。
-------------それからさらに一年後、俺は今日で18歳になり、今に至る。
彼女を失って一年・・・何も楽しいことはなかった。
他人がまた・・・信用できなくなった。
------------だけど・・・俺は優しさだけは忘れなかった。
弱い立場であることは決して忘れなかった。
俺は決して見捨てない。同じ腐った人間には絶対になりたくない・・・ッ!!
何よりも自分のような、辛い目に遭った人間を増やしたくなかった。
------------けれど・・・・・だからといってどうすればいい!?
どうやって優しく、弱い立場にいる人間たちを救えばいい?
俺には・・・・・どうしようもないじゃないか。
------------そして教えてくれ。
この世界のどこを良く見たらいい?
良いところなんてあるのか?
・・・・こんな世界、誰が好きになれるものか。
弱い立場に手を伸ばさず、自分勝手な人間だらけ。
好きにもなれず、目標もなくなり、唯一叶えたい願いも叶わない。
だったら・・・・・俺が生きる意味なんてないだろ・・・・・!!!
-------------・・・もういいじゃないか。俺が決めたことだ。
18歳になっても生きる意味は見つけられなかった。
今日で・・・・・俺も終わる。
今俺は、自分が住むマンションの最終階、9階に立っている。
ここから飛び降りればすべて終わる。
今までの苦しみ、悲しみが・・・・やっと終わるんだ。
どうせ生きていても悲しみが増えるだけ。
それに人はいつか死ぬ。それが早くなるだけの事だ。
・・・父さん、母さん。こんな息子ですみません。
こっちに来た時に・・・ちゃんと謝るから。
だから・・・・それまでお元気で。
・・・・・・・・・・瑞。今そっちに行くからな。
------------そして俺は・・・・・・・飛び降りた。
風を切るように真っ逆さまに落ちていく・・・。
どんどん地面が近くなり、どんどんスピードが速くなる。
だけど恐怖心は感じず、なぜか分からないが、それが心地よく感じた。
ああ・・・・・そろそろ地面だ。
この心地よさももう終わる。
俺の・・・・・・俺の人生は・・・・・・
-------------------『いったいなんだったんだろうな。』
そして俺は、ゆっくりと目をつぶった・・・・・・・・。
『もったいないな。貴様の命。』
・・・・? 声が聞こえた?
早いもんだ。もう天国についたのか?
『こっちにこい。貴様に話を聞かせてやろう。』
・・・こっちにこい? 何言ってるんだ。ここは・・・・
-----------訳が分からないが、とりあえず目を開けてみる。そこに広がっていたのは・・・・
何もない。ただ真っ白な世界だった。
・・・・てん・・・ごく・・・?
何かが違う。ここはいったい・・・。
目の前に広がるのは色のない真っ白な世界。
そして目の前に立っていたのは・・・・・
---------------白いマントを羽織った人間・・・・・なのか?