複雑・ファジー小説

Re: 『いのち』が伝えるもの・・・。 『彼女が経験したのは・・・』 ( No.30 )
日時: 2012/05/26 15:00
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: 『いのち』・・・それは伝えるもの。









    ---------------・・・・あれ・・・? ここは・・・・?




     私は確か、覚悟を決めて自殺したはずなのに・・・・。
     何もない・・・。天国・・・・・なのかな?












   『ここは天国でも現世でもない。その狭間と言ったところか。』







     自分の前に白いマントを羽織った青年?が、姿を現した。
    そしてもう一人は普通の青年。どこにでもいそうな普通の青年。












   「・・・・普通の青年で悪かったな。なぁ黒川、心が読めるっていうのも良いもんじゃないな。」








    ・・・嘘? 心を読まれた? てことはこの人たち・・・・普通の人間じゃない!?

   そしてどうやら、白いマントを着た人は・・・・『黒川』という名前みたい。






      『嫌なら止めておくか? 瀬谷幹也?』

      「いいや、結構だ。この程度で止めてたまるか。」





     そして、普通の青年は『瀬谷幹也』っていうみたい。







   『--------さて、高木林檎。貴様はなぜ死にたいと願う?』






      ・・・・なぜ死にたいのか? だっておばあちゃんがいないんだもん。
      私の心の支えだったおばあちゃん。おばあちゃんがいなくなった世界に・・・


          私は何も未練がない・・・。




     学校の連中だって・・・バカばっか。人を虐めて何が楽しいの!?
     仲良くなった方が楽しいに決まってるじゃん? 


    ・・・そんな奴らが世界中にいると思うと、私は耐えられない。

    それだったら・・・死んでおばあちゃんのそばにいる方が・・・・・















    『----------貴様のおばあちゃんは、お前の死を本当に望んだのか?』






     ・・・・望んだか望んでないかはどうでもいいの。
     ただ私がおばあちゃんのそばにいたいだけ。


        それの何が悪いの・・・・・・?







    「・・・・誰も悪いとは言ってないだろ。だけど・・・哀れだな。


       あんたのおばあちゃんの喜ぶ顔が目に浮かばない。」







      ・・・何を偉そうに。あなたに何が分かるの!?

     おばあちゃんはあの世でずっと寂しい思いをしてる。
    私もおばあちゃんと一緒にいたい。だからそっちに行くの。これは間違ってるの!?




























     「----------あんたのおばあちゃんが・・・・


     もしも自分が思っていた事とは違う願いを持っていたとしたら・・・・あんたはどうする?」













         ・・・何よ。どういうこと?















     「あんたはおばあちゃんが寂しいからあんたにあの世に来てほしい・・・


       そう思ってると本当に思うか? 違うとしたら?














      生きて叶えてほしい願いがあったとしたら・・・・あんたはどうする?」






         叶えてほしい・・・願い?





      「・・・これは言霊というものだ。これに心から話しかければ・・・・きっと相手に言葉が届く。」








    そういって渡されたのは・・・・ただの普通の手のひらサイズのボール。






     ------------何よ・・・・こんなので本当におばあちゃんと会話できるっていうの・・・?