複雑・ファジー小説

Re: 『いのち』が伝えるもの・・・。 『彼女の道はこれから・・・』 ( No.33 )
日時: 2012/06/21 21:36
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: 『いのち』・・・それは伝えるもの。




          『エピソード Last』







        ------------------誰かが呼んでる。









     私は何か大事な事を忘れている気がする。大切な記憶を・・・・。



     ・・・・なんだろう。この消えるような感覚・・・・。

       否、全てが『元通り』になっていく感覚・・・。













      ---------------私は・・・・・もしかしたら・・・・・・











       「----------------かわ・・・・おい、黒川!!」







     自分の名前を呼ばれ、ようやく自分が上の空だったことに気付く。
     そんな姿を見て、瀬谷幹也はやれやれといった状況で見る。




      「しっかりしろ。あんたがしっかりしないでどうするんだ。」






     瀬谷幹也がこちらで仕事をして現世ではもう1ヶ月が経つ。

    これまで何人もの善人がこちらに来たが、瀬谷のおかげで救われた人間も多い。



      瀬谷幹也は相変わらず彼女の夢のために頑張っている。






    -----------ふむ、私もまだまだだなぁ。瀬谷なんかに心配されるとは・・・。


     もちろん、嬉しいのも確かだ。瀬谷は日々成長している。
    それなりに楽しいものだ。一人の時の頃に比べると・・・な。






        だがそれも・・・・私はもうすぐ・・・・。











         「黒川、どうやら来たようだ。」








        また一人、善人がこちらに来たようだ。

     来たのは三十代ぐらいのおじさんだった。大人がここに導かれるのはかなり珍しいケースだ。


    世界を知り、悲しみを知り、愚かさを知った上で、大人が善人でいられるのは本当に稀だ。
    それは素晴らしい事。だからこそ…彼がここに来てしまった事に、私は苦しみを感じるのだ。










     ---------------・・・・!! そうか・・・そういえば、





           私はふと思い出した。



    何かははっきりとは思い出せないが…忘れてはならない悲しみの『現実』。









      ----------私が・・・この世界に来る前の記憶・・・・・