複雑・ファジー小説
- Re: 『いのち』が伝えるもの・・・。 『希望』 ( No.39 )
- 日時: 2012/07/02 18:25
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: 『いのち』・・・それは伝えるもの。
----------------この世界は腐っている。
弱いものが損をし、強いものが得をする世界。
そんな世界は嫌だと、死を選ぶ人も少なくはない。
今日もまた、善人が死に、ここに運ばれる・・・。
「-------------あ・・・・・あれ?」
僕は確か・・・・自殺をしたはずなのに。
ここは一体どこ!? 天国!?
『-------------ここは天国でも地獄でもない。その狭間といったところか。』
えっ、どこからか男の声が聞こえる・・・・? しかも考えてる事を読まれた!?
『ふふ、黒川君のマネ? 似合ってるよ。』
同時に女性の声も聞こえる・・・?
『・・・・そういうつもりはなかったんだけどな。やれやれ・・・あいつにかなり影響されたらしい。』
『でも凄い人だよね。私もおかげでここにいるんだし。』
女性はふふっと微笑む。その女性に微笑み返す青年が一人・・・。
『ああ・・・あいつに感謝しなきゃな。
そしてこの借りは必ず返す!! 夢を叶えることで!!』
『うん、私たちの夢を叶えるために・・・・。』
そう、この世界は確かに『今』は腐っているかもしれない。
だけど・・・『彼』は教えてくれた。
この世界には、まだ希望があるんだと・・・!!
『------------初めまして。』
・・・あっ・・・・・あそこに誰かいる・・・・? さっき話していた人達かな?
姿を現したのは・・・僕と同じぐらいの年の青年と女性。
『俺の名前は瀬谷幹也。よろしく。』
『私は多成瑞。よろしくね。』
二人は僕に微笑み見ながらそう言った・・・。
------------------長く眠っていたようだ。
私は何かしていたような気がする・・・。いったい何をしていたのだろうか。
誰かに何かを託し・・・私自身にとっても良い経験をした気がするのだが・・・。
・・・思い出せない。まぁいい。いずれ思い出すであろう。
-----------さて皆様・・・・私は一体、何日、何年眠っていたのだろうか? 誰か私に教えてほしいものだ。
・・・・否、そうだった。忘れていた。そして・・・・・全てを思い出した。
-----------今から私は・・・・帰るんだ。帰るべき世界に・・・。
何より時間が進んでいるわけがない。私が今から帰る場所は・・・・もう『あの世界』ではないのだから。
-------------私の帰るべき場所は・・・・
『・・・・く・・・・ろか・・・黒川君・・・・』
・・・・・声が聞こえる。そうか、どうやらもうすぐのようだ。
--------------そういえばこんなことが以前にもあった。
あの時も・・・私は死ぬ狭間にいた。
確かあの時は、自分を犠牲にしてまで・・・彼女を助けようとしたのだったな。
・・・懐かしいな。あれからもう一年が経ったのか。
あの声も・・・久しぶりに聞いたな。ふっ、変わらないな彼女は。
------------さて皆様、これでしばらくお別れだ。
これから私は・・・また新しい世界で生きる事になる。
そう、新しく始まるのだ・・・・
『黒川君!! 目を覚ましてッ!!』
私の・・・『新しい物語』が・・・!!
--------------目を開けた先に広がる世界は、
『ただいま、水島。』
------------------------未来を繋ぐ、新しい世界・・・・。
-----------------『いのち』が伝えるもの・・・。 完 -----------------------