複雑・ファジー小説

Re: 記憶のカケラ (1) ( No.4 )
日時: 2012/05/07 17:39
名前: 雷羅 (ID: 45QnB5qh)


 〜プロローグ〜

 暗い森の中俺は、目を覚ました。

 ———何処だ?此処?

 この森は見覚えが、ある。
 だが、何時何処で見たのかは、思い出せない。

 闇に目を凝らすと、一人の幼い少女がいた。
 その少女は、無言で立ち尽くしている。
 少女は、血塗れだった。

 ———何で泣いてるんだ?

 俺の声は聞こえていないのか、少女は無言で泣き続ける。
 その姿はとても美しい。
 「……うっ。……あぁ…?何で…?私」
 少女はゆっくりと口をあける。
 「えっ…!うあぁ…」
 自分の手の平を、体を見て少女は驚く。
 「私…私はっ!!」

 ———お前は、誰なんだ?

 少女は足から崩れ落ちた。
 「うっ…うう。うあああああああああああああん」
 少女は子供のように泣き叫ぶ。

 ———泣くな。俺がお前をっ!

 次の瞬間辺りが明るく光た。
 何も見えなくなり、元の景色が見えたが、少女の姿は消えていた。

 意識が遠のく。

 「あぁ、きっと、俺は」
 すぐに忘れるだろう。

 

 この夢、を。