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複雑・ファジー小説
- Re: 記憶のカケラ ( No.19 )
- 日時: 2012/05/19 08:15
- 名前: 雷羅 (ID: 01wfR6nM)
「あの部屋…」
いくつもある部屋に、1つだけ黒い扉の部屋を見つけた。
扉に手を掛けた。
———バチッ、バチッバチッ!!
静まり返っていた屋敷に、大きな音が響いた。
「いっ!」
その瞬間扉が光り、扉に掛けた手に、激痛がはしった。
手はビリビリと痺れている。
「何だ?さっきの…魔法か?」
また屋敷は、静かさに包まれた。
もう一度、今度はゆっくりと扉に手を掛ける。
———ガチャリ、キィィ
今度は何も起きる事無く、すんなり扉は開いた。
今までの部屋とは違い、その部屋は明るかった。
誰かの寝室だろうか。
扉から見た部屋の右側にはベッド。
その向かいにはクローゼット。
とても広く、質素な造りだったが、淡い色だまとめてあり温かさを感じる部屋だった。
扉の向かいには小さな、窓があった。
「あ、あぁ。そうか、これか」
俺がさっきから感じていた違和感は、窓だ。
今までの部屋には窓が1つも無かった。
唯一の窓も小柄な少女でさえ、通り抜けるのも難しそうだ。
窓が1つしかない此処は、本当に檻の様。
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