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複雑・ファジー小説
- Re: 記憶のカケラ 【オリキャラあと、1人募集中!!】 ( No.56 )
- 日時: 2012/06/04 17:58
- 名前: 雷羅 (ID: vkOByh3G)
「ふむ。では、行くか」
扉に手を掛けようとした。
「いやっ!ちょっと、待てっ!」
その時、フレアに手をつかまれ、後ろに引っ張られた。
丁度、フレアにもたれ掛かり見上げる形になった。
フレアの心臓の音が、聞こえる。
「…悪い。えーと、だな」
フレアは謝ると、私を立たせた。
「実を言うと、だな。お前をあいつに、会わせたくないんだ」
「何でだ」
頭を掻き、言いにくそうに言う。
「いや、そいつ無類の女好きなんだよ。だから……おれの後ろに、居てくれ。な?」
苦笑いをして、言う。
「ああ。分かった」
そう頷いて、フレアの後ろに回る。
「よし、じゃあ、行くぜ?」
フレアは、そう言って扉に手を掛け、手前に引いた。
———ギィィ…
古びた音をさせながら扉は、開いた。
その先には部屋が、あった。
書斎のように、壁には本棚が置いてあった。
そして、本が隙間なく並べてある。
部屋の真ん中には、机が置いてあった。
机の上には砂時計や、チェスが置いてある。
そこに、誰かが座っていた。
白髪の男だ。
暗くて、顔がよく見えない。
その男は右手で、頬杖をついてこちらを眺めている。
左手で黒いキングを、持ち上げた。
そして、口を深く歪め、キングをフレアに投げた。
「………」
フレアは無言で受け取った。
その顔は———…
ものすごく、嫌そうだ。
口をゆっくりと開いた。
へにゃりと笑い、
「やっほ〜。情報屋の登場だぁ」
そう、ちゃらけたように言った。
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