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複雑・ファジー小説
- Re: 記憶のカケラ 【第3章更新中】 ( No.90 )
- 日時: 2012/07/07 16:35
- 名前: 雷羅 (ID: mlAvlERx)
「ゴホン。…では、状況を整理いたしましょう」
ルーアは咳払いを小さくする。
次の瞬間、冷静な空気をルーアは纏った。
そこに、さっきまでの慌てたルーアはいない。
「ルーア君とライラ君が目を合わせたと思ったら、いきなり2人の動きがとまったんだよ?」
さっきまでの状況を話す。
「その後、ルーア君はいきなり震えだして、崩れ落ちた———。んで、僕がルーア君を受け止めた。それからは、ルーア君も知っての通りだよ」
ひらひらと、手を振る。
「…そうですか。先ほどは、申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございます」
事務的な口調でルーアは答え、頭を下げる。
それと同時に、結い上げられている僕と対照的な、長い黒髪が揺れる。
頭を上げ、ずれた赤いフレームの眼鏡を直す。
「それでは、こちら側の状況を説明します。私はライラさんと目があった瞬間、魔法に掛かりました」
ルーアは淡々と説明していく。
「————なるほどねぇ」
思った通りだった。
「何か分かっているのですか?」
「うん。恐らくそれは、幻術だよ」
ルーアの問いに答える。
「幻術?いえ、でもそれは」
少し困惑したように、ルーアは顔をしかめる。
「おい。どういう事だ?俺らにもわかる様に説明しろ」
イラついた様に、フレアは話に入ってきた。
相変わらず、口が悪い。
「ハハッ。分かったから、そんな顔をしないでくれないかな?」
いや。本当に怖いから。
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