複雑・ファジー小説

◆悪夢の謎◆ ( No.2 )
日時: 2012/05/13 21:12
名前: 春嵐 ◆gKQv5IanZU (ID: baDpX5T/)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode


「悪夢の謎」


———ここは、何処だ。

気がついたら僕は見知らぬ地に立っていた。
周りに見えるのは砂、砂、砂。
人も植物も見当たらない。
あるのは頭上に広がる気味の悪い真っ赤な空だけだ。

——それに。
暑い。
今までに経験したことのない暑さだ。
まるで熱気を伴ったカーテンが僕に絡みついてくるような、気持ちが悪い暑さだった。

「…だれか…いないのか?」

このまま水を飲まなければ干からびそうだった。
必死に人を探して歩いた。

しばらく歩いて行くと、明らかに人の手で造られたであろう道が見えてきた。
もしかしたら誰かがいるかもしれない。
僕はその道を辿ることにした。



———しばらくすると大きな街が見えてきた。
いや、正しくは大きな街が在ったであろう場所だ。
街の真ん中にある大きな大聖堂も、半分以上は崩れていて、中が丸見えになっている。
ほとんどの家は崩れているし、噴水や石像も壊されていた。

——確かにここには人が生活していた。
だが、やはりここにも人間だけでなく、生命体1つ見当たらない。

そう考えながらこの街を観察していると、ふとあることがひっかかった。
「…この街…どっかで見たこと…」

そう呟いた瞬間、背後でザッという、靴の擦れる音がした。