複雑・ファジー小説
- Re: 僕と家族と愛情と ( No.330 )
- 日時: 2013/02/12 15:41
- 名前: ナル姫 (ID: 7foclzLM)
!エロ描写注意!
過激度★★★★☆
夕方——。
「よくいらっしゃいました、二条殿」
微笑、という表現がぴったり来る笑顔を張り付けた政宗と向かい合っているのは、二条家当主の二条和典だ。
「うむ、久しいな伊達殿」
「えぇ、父の葬儀以来でしょうか」
「あぁ……本当に残念であったな。そなたも辛かろうに」
「いえ……父が残したものは、沢山あります故」
政宗の顔に、少しだけ寂しさが混ざった。和典もそれに気付いたが、敢えて口には出さず、用件について話し出した。
「貴殿の弟君を頂きたい」
(やはりか…)
政宗は少しの間軽く目を閉じ、口を開いた。
「政道の事ですね?」
「えぇ」
政道は……きっと渡す事が出来ないだろう。
「その要求は…飲めないと思います」
「思う、とは?」
「政道は…弟は、母に愛されています。母は、弟を御自分から離す気など毛頭ないでしょうし、嫁を取らせることもないでしょう」
正当とは言えない理由だった。普通なら疑って良い理由だった。だが——伊達家は特殊だ。病が全てを狂わせたこの家では、感情が左右する事で色々なことがどうにでもなる。
政宗は虚しさを抱えながらも何とかならないものかと考えていた。愛は別に政宗に側室が出来たって構わないのだろうが、政宗が愛以外の女性を抱く気もない。
そして、ふと一人の少年が脳裏を過る。
「——二条殿」
___
深夜、晴海城の一室で、一組の男女の裸体が交ざりあっていた。
蝋燭が一本だけ灯されている暗い部屋で、二人の体は汗にまみれている。
「はっ……はぁっ……た、かみち、様……」
女の手が男へと伸びる。女に馬乗りしている男は、腕を強引に引き、女の口を強く吸った。熱を帯びた目でお互いを見つめ合い、今度は女の方が馬乗りになる。
体が男の上に倒れる。それと同時に、男性器が女性器の裂目へ沈んでいった。
「んんっ……い…」
「どう…だ…?」
「かなりっ…深……んぁっ!!」
女の体がガクガクと震える。男はそうか、とだけ言うと、下から上へ突き上げた。
「うっあっあっ!!ああっ強……んぁあ!!」
突き上げる速度は弱まることを知らず、ますます速くなる。
「んんっ…あああ!!ああ!!た、貴道様ぁ…っあ!!あっ!!……も、駄目ぇ……あぁっ!!限界ぃ……あああぁん!!」
女の体は大きく仰け反り、畳の上に仰向けに倒れた。火照った体に、畳の冷たさが広がる。
男も起き上がり、頭を欠いた。
「強く…やりすぎたか?」
「本当ですよ……射れるのは、初めて、なんですから……」
「わ、悪い……」
男——貴道は、反省したような顔を見せる。それに対し女——咲は、優しく微笑んで見せた。
「良いんですよ、これも両家の為ですから」
「…そうか…それより、咲…」
「はい」
「…私もだが……寒くないのか?」
さっきまで性行為に勤しんでいて忘れていたが、今は師走の下旬だ。裸の状態で寒くないわけがない。
「…服着ましょうか」
「そうだな…」
___
翌朝、米沢城——。
「ブベラッ」
「…何してんのお前」
奇声を発して転んだ黒髪の少年——蒼丸を、銀色の髪の少年が冷たく見下ろした。
「ふぇ、あ、えっと…」
「俺は獅子丸の方だ」
「あ、そうでしたか…」
そうだった。確かに銀髪が少し長い。立てるか、と差し出された手を蒼丸は取った。
「ありがとう」
「別に…それよりお前、政宗様に何かされたのか?」
「へ?」
「何か政宗様が昨日の夜、愛姫様に『彼奴に悪い事したかも』とか言ってた」
「え、ちょ……何の話…?」