複雑・ファジー小説

絶望色のPartyNight ( No.3 )
日時: 2012/08/28 16:16
名前: 深玖 (ID: jxbxTUdV)

※この話はフィクションに基づいたフィクションです。
登場する人物名、団体名は全て架空のものです。



〜プロローグ〜

とあるマンションの一室。
どこにでもあるようなワンルームマンションのソファに、彼女は座っていた。
彼女は金髪に派手なミニスカート、そして濃い化粧と今時な出で立ちだったが、長いマスカラの下の瞳が湛えているのは———



紛れもない、憎しみと絶望の色だった。



何故彼女がここまでの怒りに支配されているのか?
話は2年前に遡る。



          ○ 
この世界は汚い。
本当に醜い。
正義なんてない。
いや…悪が正義になってる。
この世界はコワレテシマッタ。



こんな世界で健気に頑張るアタシって素敵☆アタシはアイ。心に傷を負った恋桜(れんおう)高校の2年生。
………心の絆創膏、ないかなぁ………
………忘れもしない、アノ日のコト………



2年前、アタシの15歳の誕生日。
アタシは家でささやかなバースデーパーティーを開いた。
そこにあの女………一番の親友だと思ってた、ミクを呼んだのが全てのハジマリ。
そして……全てのオワリ。

パーティーで、最後に皆でケーキを食べた。
もちろん、アタシの大好きだったショートケーキ。
アタシはケーキを貪った。それがアタシの唯一の希望だったから。当然、苺を残して。

すると、ミクが話しかけてきた。
「もうアイ!そんなに貪るようにケーキ食べて…。女の子らしくないぞ〜。」
(そんなに貪るように食べてるのに、苺残してる。アイ、苺嫌いなのかな?気配りができる私、可愛い☆)

そして…その女は…

無慈悲に…無自覚に…無神経に…

「私、苺食べてあげるよ!」

唯一の希望の光を、アタシから奪った。