複雑・ファジー小説
- 絶望色のPartyNight(コメント下さい!絶対返します) ( No.10 )
- 日時: 2012/05/17 14:10
- 名前: 深玖 (ID: xy6oYM/9)
〜第1章〜
一番の親友だと思っている少女に深い怨嗟の念を向けられているとも知らぬまま、ミクはいつもの日常を謳歌していた。
しかし、彼女がアイの言うように「恵まれてばかりの人間」だと断言できるかどうかは、、、ミク本人にしか分からないのだろう。
「行ってきます!」
私は家族に挨拶すると、少し古びた一軒家を出た。
私はミク。…特に運動や勉強ができるわけでも、ましてや家がお金持ちなわけでもない、普通の高校2年生だ。
私は今、恋桜高校に通っている。まぁいわゆる———底辺校だ。女子も男子も非行に走っていたり、髪を染めていたり…援交なんて噂も聞いている。当然、決して頭の良い学校ではない。私は真面目に学校生活を送っているが、先輩に絡まれることもしばしばだ。
私は決してそんな学校にしか行けないほど学力が低いというわけではない。ただ、この学校に行かなければならない理由があるのだ。
私は10分ほど歩き、最寄駅に到着した。この辺りはあまり開発も進んでおらず、寂れた商店街といった感じだ。賑わってるのはファストフード店くらいか。ただ、この駅は特急の停車駅な上にバスも通っているので、通勤に使う人達は多い。
私は電車には乗らず、いつものように改札を抜けたところである人を待った。それは———
「おはようミク!」
「あ、おはよう、マイケル!」
私の恋人である舞蹴(マイケル)だ。「マイケル」といっても別にハーフでも外国人でもなく、ただ西洋かぶれの両親に名づけられただけらしい。実際、彼は黒髪の短髪で、いかにも「純日本人」といった感じだ。
まあ、正真正銘純日本人なのだから当然だが。
私たちは、去年の文化祭で害虫駆除委員会としてたこ焼きの模擬店に発生した実に500匹ものゴキブリを駆除したことで、絆が深まった。それをきっかけに付き合い始め、もうすぐ7カ月になる。マイケルもミクも気軽に話せるような異性が学校にいなかったということからか、二人の関係はとても親密になり、特に大きな喧嘩もなく現在に至る。