複雑・ファジー小説

Re: 絶望色のPartyNight(参照1300突破!) ( No.120 )
日時: 2014/08/13 13:37
名前: 深玖 (ID: Hyf7mfn5)

      最終章 第3節 微笑みの貴公子と爆弾



 6月21日 AM10:00

 今日は日曜日。仕事は休みだが、探偵業に盆も正月も関係ない。私は、いつもの恰好で都会の街を歩いていた。
 ちなみに前回の聖マリアン女学院への突撃の後、デューク東郷の現在の居場所を血眼になって(いや、マジで)調べたが、情報は一つも出てこなかった。今生きているのかさえ分からない。いや、まさかあの最強の暗殺者が死ぬことはないと思うが。
 私はこれ以上ゴルゴ氏について詮索するのは危険と判断し、加害者の方に捜査対象を変更した。
 恋桜高校の、アイ。
 桃果の姉、ミクと同じ水色中学校の出身で、なんと小学校まで同じだった。2つの家が近くにあることもあり、どうやら2人は幼馴染でかなり仲が良かったらしい。
 だが、桃果によると誕生日パーティーの事件があってからというもの、2人は疎遠だったようだ。アイは恋桜高校にはほとんど来ておらず、いわゆる不良だったことがうかがえる。
 そこで、アイの家庭環境についても調べてみたが、全くの平凡な家庭で特筆すべき点はない。友人関係についても同じで、あまり学校に友達は多くいなかったようだ。
 だが……恋愛関係について洗っていた時、1人の男の名が浮上した。

「『ヒロキ』ね……」
 アイと恋愛関係の噂が立っていたのはこの男ただ1人だ。
 そして……私はこの男に今日会うことになっている。
 だが……



 「洗えば洗うほど、ろくでもない男だ……」
 高校3年生で、実家は四国の大病院を経営している。彼自身は東京に1人暮らしだが、なんと、彼は弱冠17歳にして女性から貢がれた資金だけで生活しているらしい。いわゆる『ヒモ』である。そんな男が彼女の1人のことなんて詳しく知っているだろうか?
 「事件について知ってるかは五分五分だが、聞いてみるしかないか……」

 だが、私のこの行動は事件を大きく動かすことになる……