複雑・ファジー小説
- Re: 自分の時代 人の時代『参照、100突破!ありがとう』 ( No.48 )
- 日時: 2013/09/30 13:28
- 名前: 夜幽 (ID: x/gr.YmB)
第23話
「仲間でもあり敵……」
貴廣「!」
焔「どうした、貴廣?」
貴廣「き、急に寒気が……。」
焔「?何事だ?」
貴廣は見えない何かに怯えていた
真莉子「!風邪をひいたら困る。とりあえず、これを付けろ!」
冷えピタ
貴廣「あ、どうも。」
焔「全く。体調管理を怠るな。ほら、暖かくしろ。」
湯たんぽ
貴廣「すいません。」
※貴廣君の方が年上です
育斗「(おかんとおとんだ。)」
焔「……では、改めて今回のバトルの事だが。」
育斗「……。」
焔「……お前らにしては上出来だった。」
真莉子「上出来、上出来。」
育斗「!珍しいな。イトが褒めるなんて。」
焔「失礼な奴だ。だが、自惚れるな。」
真莉子「自惚れ、自惚れ。」
育斗「手厳しい。」
焔「お前の敗因はなんだと思う?」
真莉子「なんだと思う!?」
焔「……これ舐めてろ。」
焔が真莉子にペロペロキャンディを渡す
真莉子「!アム。」
育斗「(餌付けうまいな。)」
真莉子「旦那。」
焔「旦那ではない。」
真莉子「リンゴ味も欲しい。」
焔「それ食べ終わったらな。」
真莉子「分かった。」
育斗と貴廣「……(和む。)」
焔「?お前の戦いは無駄が多い。衝撃が激しい。……だが、一番の敗因はお前が修哉の力を侮っていたことだ。」
育斗「……。」
焔「育斗。俺とお前らは何年の付き合いだ?」
育斗「すいません。」
焔「すいませんじゃない。……それとも修哉の技が見抜けなかったのか?」
育斗「……。」
焔「鏡花水月……。」
育斗「!」
焔「あれは修哉の親父さんの技だ。」
育斗「親父さんの?」
焔「真田奥義。俺も詳しくは知らんが……二つの刀を使う秘技。別名、六連銭。」
育斗「!?その名前……。」
焔「分かったか?そう、それだ。」
育斗「!でも見たこともない。構えだった……。」
焔「それは利き腕のせいだ。」
育斗「?利き腕?」
焔「修哉は元々、右利き。対する、親父さんは左利き。技を構えたとき、左右逆だったからな。」
育斗「(凄い、あの短い時間でそこまで見抜くなんて……これが万屋ヤマタイコクの1人、伊藤焔。)!てか、サナには会ったの?」
焔「……あいつには会わずともいずれ会える。そもそも、俺はあいつに嫌われてるようだしな。」
育斗「(いや、嫌ってはないと思う。)」
焔「修哉も随分と強くなった。」
育斗「!認めるの?」
焔「俺は少なくともお前らや他のメンバーの事は認めている。だが……。」
育斗「?」
焔「万屋センゴクは宝の持ち腐れだ。」
育斗「!」
焔「お前も知っているだろう?ただ、リーダーだけが強くても無意味であると。」
育斗「あぁ……。」
焔「本当か?」
育斗「……。」
焔「まー、いい。あいつとはちゃんと決着をつける。無論、俺が勝つがな。」
育斗「そうか……。」
ブーっ、ブーっ
焔の携帯がなる
焔「!おっと診察の時間だ。俺は帰る。」
育斗「!……イト。」
焔「いいか?これだけは忘れるな。俺達は仲間であり……敵だ!」
焔がそう言い切ると後は何も言わずに去っていった
真莉子「!待たんかー!嫁ー!」
貴廣「!失礼します!」
真莉子と貴廣もそのあとを追う
育斗「……イト。」
一方のセンゴク
出雲「帰ったらパーっとすき焼きパーティやろうぜ。」
紫陽花「!いいわねー。どうせならしゃぶしゃぶもやっちゃう?」
來未「その前に理夏と和美を迎えに行かないと。」
屡琉「……。」
修哉「……!」
センゴクメンバー「!」
センゴクメンバーの前に意外な男が現れた
育斗「よっ。」
修哉「ん。」
育斗「センゴクの皆さん。物は相談なんだけど……ちょっとサナ、借りていい?」
センゴクメンバー「!」
修哉が一歩前に出る
修哉「……お前ら先に行っててくれ。」
紫陽花「!え……でも……。」
出雲「!了解だ。行くぞ。」
出雲が何かを察したらしく他のメンバーを連れていく
紫陽花「(修ちゃん……。)」
修哉「……。」
近くの公園
育斗「……イトに会った。」
修哉「!俺、あいつあんまり好きじゃねぇ。」
育斗「(やっぱり?)色々、注意された。無駄が多いとか、衝撃が激しいとか、辛口だった。でも、相変わらず、元気そうだった。……そして強そうだった。」
修哉「……。」
育斗「後、イトが言ってた。俺達は仲間であり……敵だって。」
修哉「!」
育斗「あれは確実にお前を潰そうと考えている。あのハンマーで……。」
修哉「焔……。」
育斗「イトの仲間も強そうだった。」
修哉「そうか……。」
育斗「気を付けた方がいい。俺とあいつらじゃ格が違う。」
修哉「……。」
育斗「俺と他のみんなとの決定的な違い。それは力じゃなく誰にも俺ですら超えられない……。」
修哉「才能と人徳と覚悟か?」
育斗「!やっぱ、サナもスゲーや。」
修哉「育斗。」
育斗「ん?」
修哉「そんな事を言うために俺と二人きりになった訳じゃないだろう?」
育斗「!……分かった。もう、回りくどい言い方はやめる。実はずっと気になっていた事があるんだ。俺だけじゃない。他のみんなも気になっていた事……単刀直入に言うよ。」
修哉「……。」
育斗「何で……。」
修哉「……。」
育斗「何であの時、巫女様の告白を断ったの?」
……巫女?