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複雑・ファジー小説
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.104 )
- 日時: 2012/08/15 17:45
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)
+67+
「あー、良かった。先輩はほら、優しいじゃん?」
孤独は私を通り過ぎて、奥の方にあるロッカーを開けた。その中に小さなバッグを入れる。私は動かなかった。
「優しくなんか、ないよ」
絞り出した声に、孤独は反応したようだ。布の掠れる音が消える。
孤独の行動が、止まったんだ。
「孤独、」
謝ろうと思った。ごめんって。
ごめん。孤独。孤独の気持ち考えてなかったよ。ずっと私で縛ってごめん。それが孤独の幸せだろうけど、最善では無い。そう。この間、孤独が不安なのに気が付かないで、卓に会いに行っちゃって、ごめん。
それだけでも、今は謝りたかった。
それなのに、私が孤独の名前を呼んだ後、孤独がロッカーを勢いよく閉めるものだから、続きを言うことができなかった。
大きい音に、私の呼吸が止まりそうになる。
「そんなことないっすよ。先輩は優しい。だけど、けど」
孤独が近付いてくる。
私は咄嗟に置いてあったエプロンを手に取る。
何を思ったんだろう。でも、握る物が欲しかった。
「俺以外に優しくするのは、良くないよ、先輩」
あれ。おかしいな。孤独ってこんなに欲張りだっけ。
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