複雑・ファジー小説

Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.109 )
日時: 2012/08/18 20:46
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)



+72+


「罪、ね。罰はあるの?」

ねぇ、ずっと前は私が孤独に罰を与えていたのに。今度は孤独が私に罰を与えるんだね。いつからそんなに孤独は偉くなったのさ。
私が卓巳と寝ようとしたから?それだけで私たちの立場は反対になるの?そんな簡単な物だった?そうしたのは、私?孤独?違うよ。きっと違う。孤独をこんな風にしたのは、私だけじゃない。私だけの責任じゃない。
孤独1人でこんなに変われるか?なれない。あんな不安定で私が居ないとガタガタだった孤独が、私を飲み込もうとするなんて、おかしいもの。

「ありますよ。ちゅー」

孤独が、自分の唇を指でトントンと叩く。
意味が分からなくて思考が停止した。
チュー?チューって、チュー?そんなことを強請られたのは初めてだった。最後に人の唇に触れたのは何時だ。
確か、卓巳に暴力を振るわれて、気を失って目覚めたら卓巳が寝ていたから、何も考えずに唇を重ねた。
それが最後。まぁ、その直後に殴られたけど。それで心も体もボロボロにされた後に、ぽーい。
今思うと、私ってバカだよね。

「もー。……じゃあ、俺からね」

声が低くなった孤独の唇が重なる。抵抗はしなかった。
だって、罰なんでしょう?孤独も、よく考えたもんだ。いい罰だよ。
私は今、最高に気分が悪い。