複雑・ファジー小説

Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.117 )
日時: 2012/08/23 17:32
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: w93.1umH)
参照: http://www.youtube.com/watch?v



+79+


406号室。
卓巳に言われたその数字を頭でリピートしながら、廊下を進む。携帯は電源を切ってある。電源を切るまで孤独から連絡は入っていなかった。
あれだけ自分の中で考えたのに、結論づけたつもりだったのに、まだ私は孤独について考えている。
何が良いとか、何が悪いかとか、私の気持ちとか、孤独の気持ちとか。後は、卓巳の気持ちとか。全部全部全部考えて、尊重して。みんなが納得して笑えるような結末にすることなんて、私にはできない。私はそこまで頭は良くないし、状況を判断するのだって苦手だし。
だからと言って、誰かに相談なんてできるはずもない。こんな関係を築いたのは、他でもない、私。私が悪いんだ。
卓巳は私のことが、好きなんだろうか。分からない。そこがどうしても分からない。どうして卓巳は何時までも私との縁を切らないのだろう。
卓巳は付き合っている人が居たんだ。その人と付き合うために、私と別れた。私の首輪を外した。
そして、卓巳に振られて呆然としている私に、孤独が。

……ん?

頭の中で何かがつながりそうになって、私は急いで病室のドアを開けた。