複雑・ファジー小説

Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.131 )
日時: 2012/09/05 18:31
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: w93.1umH)



+参照1100+


「……お帰り」

「ただいま」

久しぶりに、お互いがお互いの名前を呼ばない会話。そんな感覚が何だか変で、やっぱり相手の名前を呼びそうになる。
辰臣は精神が正常じゃなかったという理由で無罪になった。
それと。

「これからは、ずっと一緒。俺、嬉しいよ」

ストレートに心境を語る辰臣を見ていると、声を聞いていると、胸が苦しくなった。
こんな人じゃなかった。辰臣はもっと、ちゃんとした人だった。
この人をこうしてしまったのは、私。私がいきなりいなくなって、そしていきなり現れたから。
私をもう、失いたくないんだ。

「築?」

「うん」

聞いているよ、私の名前を呼ぶ辰臣にそう伝える。
その行為すら、彼には快感なんだ。私に自分の思いを伝えることで、自分が私のことを好いているってこと押し付けたいわけだ。そして、だから行くなよって、離れるなよって言いたいわけだ。そうして、私をゆるゆると縛って行きたいんだ。
それは、分かる。私ももしかしたら、逆の立場ならそうしたかもしれないから。
私は分かっているけれど、辰臣の策略に気が付いているけど、言わない。拒まない。それで、私たちの関係が保たれるなら。
辰臣は私の手を握る。そして、歩き出した。

「辰臣、好き」

「築、好き」

ありがとう、忌屋。
あなたが辰臣を煽ったって言ってくれたおかげで、私はまた辰臣の温もりを感じている。

もう会えないだろう相手の幸せを私は、そっと願った。


+おわり+


もう本編では出せないだろうから。二人のその後を書かせていただきました。企画ではなくてごめんなさい。
参照1100ありがとうございました。
ねばねば続けていてごめんなさい。(´・ω・`)