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複雑・ファジー小説
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.134 )
- 日時: 2012/09/10 21:57
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: w93.1umH)
+92+
好き。ライク。愛してる。ラヴ。
私は、昔卓のことがラヴだった。卓は私のことがライクだった。卓は今、私のことがラヴだ。
そして孤独は、私のことがずっと、ずぅーっとラヴ。今もラヴ。昔もラヴ。
私は。私は今、誰がラヴで、誰がライクなんだ。
「先輩は、俺のことが嫌いですか」
ハッキリと、孤独が言う。
私に答えを求めている。私だけの言葉を待っている。私の決断を待ってきた。
孤独はずっと、待っていてくれた。限界までずっと、我慢してきてくれた。私を手に入れた、願いが叶った後でも苦しみ続けてくれた。
私がいつか、孤独を見る事だけを、信じて。
その期待を我慢を全部全部裏切ったのは私か。私はもう逃げてはいけない。そう思う。
卓巳は、自分の気持ちから逃げなかった。店長も、一人を思い続けてきた。築だって、自分を見失ってなんかいなかった。
私だけ。逃げているのは今、私だけ。
私は孤独を見ていられなくて、目線を落とす。
またか。私はまた、俯いて孤独から逃げている。
私はゆっくりと、顔を上げた。孤独と目が合う。
孤独は私を見てくれている。ずっと、ずっと。
私は目をつぶって、首を横に振った。
今までの自分を否定するかのように。
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