複雑・ファジー小説

Re: コドクビワ、キミイゾン。【完結】 ( No.141 )
日時: 2012/12/31 12:22
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: w1J4g9Hd)
参照: http://id24.fm-p.jp/456/yayuua/


+孤独への愛情度:低ED+


「先輩は、俺のことが嫌いですか」

笑ってしまいそうになった。
まだコイツ、そんなことを言うつもりか。
私はこらえきれずに、笑った。声を上げるまではいかない。
手を添えて、声を殺して。腹がよじれそうだった。

孤独は、そんな私の姿をじっと見つめて、涙を流す。
私が何で笑っているのか、予想はついているのだろう。
私は躊躇をしない。躊躇わない。

なんで、こんなことを聞くのか。
私には全く分からないけど。
コイツは、希望が欲しいんだ。まだ、自分には可能性があると。そう思いたいんだ。
そんなわけないじゃないか。
コイツに希望が残っているはずがない。コイツの希望は、私。最後の希望は、私。
その関係を望んでいるんだって。
なんでわからないの。これは私が仕組んだの。
私の、思い通り。

「嫌いに決まってるでしょ? というかどうでも良いの。私が心地よく生きることができるなら、それで良いの」

他の人間がどうなろうが、どうでも良い。ただ、自分がよければそれで良い。ただそれで良い。
そのための孤独。
孤独は、私を生かしてくれる。
私が壊れそうな時、支えてくれる。自分にどれだけ傷が付こうが、私を庇ってくれる。
そんな存在である孤独は、好きだ。だけど、嫌い。
私にとって、孤独はそれだけの存在であり、それ以上でもそれ以下でもない。

孤独は唇を噛み締めた。血が滲む。
さぁ、終わりにしようよ。
私、疲れちゃった。我儘になりすぎたんだよ。
孤独は、私を求めすぎた。それが間違いなの。私に何かを求める事なんか、孤独にはできないのに。
何を勘違いしたんだか。

「……それでも……」

孤独は、顔を伏せた。私に歩み寄って来て、私の前に座る。
顎をつかんで、私にそっとキスをした。
なんだよ。なんだよこれ。別にいいか。これで最後なら。
最後くらい、優しくしてあげようか。
私に裏切られて、心をズタズタにされた孤独は、昔の私によく似ている。
これで、仲間ができた。

唇を離しながら、私の首に手を掛けた。

「……え?」

押し倒される。息が苦しい。息が出来ない。首を絞められている。指に力を入れられて、全身の体重を首に掛けられる。
必死に孤独の手の甲に爪を立てる。
血が垂れてくるのに。
皮膚が抉られても、孤独は私の首から手を離さない。

「俺は、先輩が好きです」

苦しくて、涙が出てきた。

孤独も苦しいのか、涙が止まっていなかった。

最後まで。


+BADEND+


孤独への愛情度が低いとこうなります。
桐が屑ですね。最低です。