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複雑・ファジー小説
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.32 )
- 日時: 2012/06/16 15:10
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)
+18+
ホテルに着くと、卓は満足そうに笑った。卓のよく笑うところは変わっていないな。
私は何だか言葉を発するのが億劫になって、黙ってしまっていた。
そんな私の心情なんて卓は分からないようで、一足早くベッドに座って、手を広げた。
「おいで、桐」
お風呂、入らないのかな。なんて考えながら、卓を眺める。私はすぐに行動したくなかった。卓は首をかしげて私の様子を覗っている。なんで抱き着いてこないのか、分からないのだろう。当然、抱き着いてくるものだと思っていたようだ。
「どうしたの?」
ついには卓は立ち上がり、私を抱きしめてきた。入り口のドアから私の背中を離して、やんわりとベッドに誘導する。
早く、確認したいんだろうな。私が確かに卓のことが好きだって証拠が、早く欲しいんだ。なんでかは、分からないけど。
「お風呂、入りたい? 要らないよね」
私の言葉を聞く間もなく、卓は私を優しく押し倒す。自分で聞いて自分で答えるなら、なんで声に出したのかな。ていうか私、このまま抱かれるつもりなのかな。良いのかな、これで。
私は、抱かれたいの?
でも、拒む理由も見つからないの。了承する理由も、拒否する理由もない私は、一体どうすればいいの?
拒む、理由か。何だか引っかかるんだよね。朝から。卓に会ってから。なんだろう。
ぼやぼやしているうちに、卓が私の服を捲り上げる。その手が、突如、止まった。
「……何、コレ」
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