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複雑・ファジー小説
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.45 )
- 日時: 2012/06/24 13:47
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)
+23+
私が部屋に入っても、孤独は足を動かそうとしなかった。首を傾げると、サラサラと髪が落ちる。孤独は、私に何かを訴えるような視線を向けていた。
何が、言いたいのだろうか。私は手招きをしようとして、止めた。孤独が口を開いたからだ。それから、孤独が言葉を発するのには、少しの間があった。その間すら、恐ろしい。怖い。
「茅菜さん」
ドクリと心臓が跳ねた。
てっきり、
「何処行ってたんすか」
とか聞かれると思っていたのに。
予想外の質問をされたから?違う。違う。
孤独が、初めて私の名前を読んだから。苗字でもなく、名前で。それだけで、こんなにも慌ててしまう。私は、臆病者だ。
「茅菜、」
「孤独、おいで」
遮りたかった。孤独に私の名前を、呼ばないで欲しかった。なんで。なんで。私は孤独、と呼ぶのに。こんなの、不公平だ。
それでも孤独は私を見つめたままで。それでも、私の言葉に従ってくれる。
そう。それでいいよ。それがいいよ。孤独は私に従って。私の思い通りでいて。私をひたすら求めて。私の側に居て。私に傷つけられて。私で苦しんで。
「ね、孤独。シようか」
私が生きる価値だと、そう感じていて。
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