複雑・ファジー小説

Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.47 )
日時: 2012/06/27 21:58
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)



+25+


目を丸くして、突っ立っている孤独を無理やりに引っ張って、短い廊下に押し倒す。
驚いて固まっている孤独は、私の力でも簡単に押し倒すことができた。

「先輩、」

眉をしかめて、不満そうな表情を作る。なんで、そんな表情を作るの。それじゃあまるで、私が間違っているみたいじゃないか。気が付かせないでよ。分からないフリをさせていてよ。

「孤独」

名前を、呼んでみた。それなら、喜んでもらえると思って。私は、きっと今、孤独を満足させたい。そうすれば、許されるような気がして。孤独、怖いよ。孤独に触れられることが、怖い。
孤独、私は今日卓に触れられてしまったの。ごめんね。孤独のことを、少し、忘れてしまったの。ごめんね。だから、満足して。
私も、満足させて。

私がそっと孤独のズボンに触れた時、私の思考が、止まった。全てが、止まった。
孤独は手で口を覆い、涙を流していたのだ。

「あ、れ、孤独、孤独」

どうしよう。意味が、わからない。孤独の涙は止まらない。ねぇ、どうすれば。どうすれば。涙を、止めなくちゃ。止めてあげないと。じゃないと、私まで、変になってしまう。
孤独、孤独、ごめん。許して。

私の手が、孤独の首に押し付けられた。