複雑・ファジー小説

Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.54 )
日時: 2012/07/02 21:12
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)



+29+


俺ってバカ。本当に、バカ。救われない。本当に、救われない。バカだバカだ。死んでしまいたい。消えてしまいたい。ここで俺が消えたとしても、先輩は悲しんでも、気が付いてさえもくれないか。そう考えたら、嫌だ。
俺は、いつまでもガキだ。何時でも大人っぽくて、落ち着いている先輩に会うような男になりたくて。でも、先輩の前じゃあ、余裕が無くなる。ねぇ、少しでも俺が、失敗を犯したら、消えてしまうでしょう。
はい、というわけで、終わりだ。俺、先輩にもう会えないよ。
我儘で、飛び出して来た。だって、言い訳させるように仕向けたのは、俺だ。先輩にあんな事を持ちかけさせたのは、俺。俺が、先輩を苦しめた、困らせた。
先輩は、俺だけの物じゃない。そんなの分かっていたのに。それでも、俺が先輩の物だったら、それだけで満足なはずだったのに。何時から、俺はこんなに欲張りになったの。これじゃあ、先輩に捨てられても、当然だ。
虚しい。心が虚しい。1人で抜いているときよりも、虚しい。ウソだろ。こんな気持ちになっちゃうなんて。

「、ぁ、あぁ、っ、ぁ」

呼吸がおかしい。首輪が息苦しい。先輩の指の跡が熱い。このまま、死んでも良いかもしれない。俺はぜひ、先輩で死にたい。
先輩の物である内に、死にたい。