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複雑・ファジー小説
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.57 )
- 日時: 2012/07/06 20:30
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)
+32+
正直な感想を言えば、面倒なことになったな。それが一番だろ。
可愛い可愛いアルバイトの忘れ物を届けに、桐の家に行った。その時点でおかしいんだけど。
アルバイトは桐に懐いて居る。尋常じゃないくらいに。まぁ、止めはしないけど、仕事に支障が出るのは勘弁かな。そこまで行かなければ、全然オーケー。
精神がガタついている人に対しての抵抗は、凡人と比べたら無い方だ。だって、心が病んでいるからって、なんだ。だから、桐が少しおかしくなっても、店で雇い続けた。
「プリン食べるか?」
後で食べようと思って買ったプリンを、コンビニの袋から出して差し出すと、桐は遠慮なく受け取った。
いやぁ、驚いた。まさか、桐が孤独の首を絞めているとは。
桐が人と会っているらしい、なんて俺が言わなければ、こんなことにはならなかったか。
人の首を絞めた後とは思わないほど、桐は落ち着いていた。自分で整理しようとすると、キちゃうことがあるから、無理しなくて良いけど。
スプーンも渡してやると、啄むように食べ始める。俺のプリン。
桐は、自分で自覚しているタイプのキている人だ。孤独は、違う。自分で気が付かない。このままじゃあ、共倒れだ。孤独が倒れて、追い込まれた桐が壊れる。それだけは、止めないとな。
俺は、守るよ。
桐じゃない、孤独じゃない。
何よりも、自分のために。
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