複雑・ファジー小説

Re: 思案中 ( No.6 )
日時: 2012/06/03 22:03
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)


+5+


「ねぇ、先輩」

私の体を舐めて満足したのか、バカが顔を上げる。
そして私に抱き着いてくる。鼻を動かして、まだ匂いを嗅いでいるようだ。

「何?」

くだらないことだったら、叩いてやろう。

「名前……呼んで」

また甘えるような口調になる。
とことんこいつは甘え上手だな。そこだけは褒めることができるかもしれない。女とか、ひっかけやすいだろうなぁ。私なんかにかまっているより、もっとかわいい人見つけてくればいいのに。変な奴。

「……ただでは呼ばないよ」

私なんか、私なんか。
ダメなやつだし。変だし。おかしいし。何も長所ないし。私なんか。全然。ヤダな。私。私なんか。ダメ。おかしい。変なの。どうして。私。ダメ。変。根暗。くっそ。ヤダ。ヤダ。私。ダメ。

「先輩は、何が欲しい?」

バカの声にハッとする。
私、また変になってた。しっかりしなくちゃな。

「幸福な死かな、孤独」

孤独も一緒でしょ。