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複雑・ファジー小説
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.61 )
- 日時: 2012/07/08 21:24
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)
+34+
面白いものが好きでさ。
つまらないより、面白い物の方が、いいだろ。
だから、なんでも良かったんだよ。面白ければ、ボクの興味がそそられる物なら何でも。
「捨てないで、お願い、何でもするから」
そう縋り付く彼女を、あっさりと捨ててやる。こっちの方が面白いから。いや、面白そうだから。
彼女の首にかかる首輪を、そっと外してやると、目がきゅっとなった。うわ、面白い。気味悪いね。ねぇ、そんなにボクに捨てられるのが、怖い?
そうやって盲目的にボクを追っている君が、すごく面白くてたまらない。
「だーめ。今日で終わり。分かった?」
喉の奥で笑いを噛み殺す。真剣で冷たい顔をしていた方が、君を傷つけるから。離れていても、君は今日のことを思い出して、傷つき続ける。それボクの中でベストだよ。分かってるんだよ。お前のことは全部、分かっているんだよ。だってボクは君の飼い主様だから。
でも、それも今日で終わり。
君の楽園はここで終わり。そして、ボクの物語は始まる。
そして、誰かの幻想の始まり。
それを知らないのは、君だけだよ、桐。
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